シエナの「コントラーダ」とは?
シエナの旧市街は、17の「コントラーダ(contrada)」に分かれています。
「コントラーダ」とは、簡単に言ってしまえば、町内会のようなものです。
この町内会は、非常に強く結びつきを持つ団体で、シエナ市民は必ずどこかのコントラーダに属しています。
シエナ市民は、「シエナ人」という意識を持つ一方で、「自分がシエナでどこのコントラーダに属しているのか」というのも、強いアイデンティティなのだそうです。
シエナの有名なお祭りに、「パリオ」という、カンポ広場で行われる競馬があります。この「パリオ」はコントラーダ対抗で行われ、非常に熱狂的に盛り上がるのだそうです。
「パリオ」は日本でもそこそこ有名で、時々テレビで特集されているのを見ますね。
シエナは、隣町フィレンツェへの対抗心が強い人が多く、イタリアの中でも、郷土愛(イタリア語では「鐘楼」に由来するカンパニリズモと呼ばれます)を特に強く感じる町です。
コントラーダにもお互いに仲の悪いコントラーダがあるそうで、フィレンツェへの対抗心だけでなく、シエナの中でもさらに細かく分かれて対立するなんて…実際に暮らすには大変そうな町だなあと私は思ってしまいます。
でも、もしかしたら喧嘩するほど仲がよいのかもしれません。このあたりの実情は、実際に住んでみないと実感できないのでしょうね。
シエナでコントラーダを象徴する動物を探そう!
シエナの各コントラーダには、そのコントラーダを象徴する動物がいます。
全17の動物を、北のコントラーダから順に挙げてみると、やまあらし、雌狼、芋虫、ドラゴン、きりん、ふくろう、ガチョウ、一角獣、(塔を背に乗せた)ゾウ、鷹、(森を背に乗せた)サイ、貝、ヒョウ、牡羊、(波と共に描かれる)イルカ、亀、かたつむり。
おもしろいのは、ドラゴン、一角獣など、実在しない動物も含まれていることですね。
あと、日本人から見ると、必ずしもカッコイイと思えない動物をシンボルにしているコントラーダが多いのも興味深いですね。
それぞれの動物が、コントラーダのシンボルマークにするだけの良い意味を持っていて、かたつむりは忍耐強さ、芋虫は、蝶やサナギに変身することから、復活や魂の不死を表すそうです。
各コントラーダ内に入ると、噴水など、町角のあちらこちらに、シンボルの動物が見つかります。
私は、シエナへ行った時に、この17の動物を全部探しながら歩こうを思っていたのですが、あまりの寒さに途中で町歩きを断念し、芋虫とふくろうしか見つけられませんでした。
次回シエナへ行くときは、今度こそ17のコントラーダをコンプリートしようと思っています!