【目次】
シラクーサとはどんな町?
シラクーサ(Siracusa)は、シチリア島内に築かれた町と、そこからイオニア海に突き出た、1キロ平方メートル程度の小さなオルティージャ島から構成された、とても面白い形態をした町です。
現地の発音は「シラクーサ」が一番近いですが、日本語では「シラクサ」「シラクーザ」と表記されることもあります。
英語読みだと「シラキュース(Syracuse)」と発音されます。
シラクーサは「大ギリシャ」の首都!
シラクーサは、南イタリアのシチリア島に、古代ギリシャ人の植民都市が多く作られた時代に、その中心都市として繁栄しました。
そのため、古代ギリシャとのつながりが強い町で、私は、シラクーサはギリシャにある町だと、勘違いしていました。
シチリア島の中でも、確かにシラクーサはギリシャに近い位置にあります。
また、貿易や航海に便利そうな、四方を海に囲まれたオルティージャ島が町の鼻先にあることから、ギリシャ人が、シチリア島の中でも、この地に大きな植民都市を築いた理由がわかる気がします。
余談ですが、町を作ったギリシャ人は、ペロポネソス半島のコリントス人で、ドーリア系です。
そのためか、古代ギリシャ時代には、植民都市シラクーサはドーリア系のスパルタと組むことが多く、古代ギリシャは古代ギリシャでも、イオニア系のアテネは、シラクーサ史の中では、敵として登場することが多いです。
「大ギリシャ」「マグナ・グラエキラ」とは
南イタリアやシチリア島に作られた、古代ギリシャの植民都市を総称して、ラテン語で「マグナ・グラエキラ」と呼びます。
日本語では「大ギリシャ」などと訳されます。
「大ギリシャ」と言っても、単なる呼び方であり、イタリアに築かれた古代ギリシャの植民都市が、ギリシャ本土のアテネやスパルタなどの都市より、規模が大きいわけではありません。
イタリアに移住してきたギリシャ人は、次第にラテン化していきますが、今でもイタリア南部には、ギリシャ語に近い方言が離される地域があるそうです。
現在のシラクーサは活気のある観光都市!
そんな古い歴史を持つシラクーサですが、現在では、シチリア島を代表する観光都市です。
その魅力の一つは、四方を海に囲まれたオルティージャ島の特異さでしょう。
オルティージャ島は本当に小さな島なので、迷宮状の道を抜けたと思ったら、すぐに目の前に真っ青な海が広がり、まるでテーマパークのような島です。
北イタリアの、運河の町ヴェネツィアとはまた違う魅力で、開放的で、実に美しい青の世界です。
また、本土の高台には、古代ギリシャ時代の遺構、ギリシャ劇場や石切り場などが残ります。
歴史のロマンも、海の美しさも両方楽しめるのが、シラクーサの魅力です。
さて、シラクーサは、同じく、ギリシャ劇場も海もあるタオルミーナとよく比べられますが、この2つの町は全然雰囲気が違いました。
タオルミーナは、落ち着いて観光できる高級リゾート、シラクーサは観光化されてはいますが、活気のある魚市場や、観光客に負けじ(?)と、テリトリーでだべっている地元オヤジなど、生活感にあふれています。
シラクーサは、生活感があるわりには、治安がよく、安心して滞在できる町なので、ぜひ宿泊観光して、古代ギリシャの名残を味わってみて下さい!
シラクーサの位置・場所は?
シラクーサは、シチリア島の東南部、向こう側にはギリシャがあるアドリア海に面しています。国際空港のあるシチリア第二の都市カターニアからは、50㎞ほど南になります。
シラクーサ観光に必要な日数は?
シラクーサは、見所が多く、また、観光名所が高台の考古学地区とオルティージャ島に分かれています。
考古学地区とオルティージャ島は、ミニバスで結ばれていますが、このバスを使おうと思うと、結構待つこともあります。
徒歩でも移動できなくはないですが、考古学地区もオルティージャ島も見るなら、気軽な半日観光ではかなりバタバタになります。
私はシラクーサには2泊して、うち半日はノートに日帰りしましたが、この日程でも、シラクーサ観光は結構忙しく、また消化不良の感もありました。
シラクーサには2泊3日して、その時間をまるまるシラクーサ観光に使えるというのが、一番望ましい観光日数だと思います。
最低でも1泊2日して、考古学地区の遺跡見学と、オルティージャ島をゆっくり散歩する時間を作るのがおすすめです。
シラクーサ観光におすすめの本
A13 地球の歩き方 南イタリアとマルタ 2017~2018
地球の歩き方の南イタリア版。シチリア島を代表するシラクーサは、観光名所やレストラン、ホテル情報など充実していて、とりあえずこの1冊があれば観光にはじゅうぶんです。購入の際は、最新版かどうか確認を!
シチリアへ行きたい (とんぼの本)
古代ギリシャが息づく町シラクーサは、やはりある程度歴史の知識と共に歩きたい町です。シラクーサとシチリア島の歴史を、写真付きで楽しめるのがこの本です。
走れメロス (新潮文庫)
太宰治の「走れメロス」はシラクーサが舞台です。すぐ読めるので、やっぱり読んで行った方が面白いです!飛行機の中ででも!私は、モディカからシラクーサへ向かう電車の中で読みました。15~20分くらいで読めます。
シラクーサはツアーで行ける?
シラクーサは、シチリアの四大観光都市(他はタオルミーナ、パレルモ、アグリジェント)のひとつなので、シチリアへ行くツアーは、シラクーサに立ち寄るものがほとんどです。
観光バスであれば、シラクーサ内の高台とオルティージャ島の移動もスムーズです。
JTB
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