【目次】
シチリアでも人気の高い観光都市シラクーサ。
古代ギリシャ時代から続く、歴史が古い町ということもあり、シラクーサの町には、歴史のロマンを感じさせる観光名所が満載です。
海に面したオルティージャ島と、高台の考古学地区の観光名所を、それぞれご紹介します!
オルティージャ島の観光名所
ドゥオモ
シラクーサのドゥオモ(大聖堂)は、うすいクリーム色が映える、非常に美しい大聖堂です。
古代ギリシャ時代の、アテナ神殿跡を利用して作られた聖堂で、内部に、古代ギリシャの柱が遺されています。
古代ギリシャ時代の柱は、聖堂の左側の壁に塗り込められているようになっている、ドーリア式の柱です。
イタリアでは珍しく、有料入場となるドゥオモ(町のシンボルである大聖堂)ですが、内部の雰囲気は厳かで美しく、お金を払ってでも入る価値があると思います。
逆に、常に観光客が多いシラクーサなので、ドゥオモの入場が有料であるおかげで、ドゥオモ内はそれほど混雑していなく、聖堂内の厳粛な雰囲気が保たれていると感じました。
サンタ・ルチア・アッラ・バディア教会
サンタ・ルチア・アッラ・バディア教会は、ドゥオモのすぐ近くにある教会です。シラクーサの守護聖人、聖女ルチアに捧げられた教会です。
カラヴァッジョの晩年の作品『聖ルチアの埋葬』は、現在、この教会の主祭壇に飾られています。
教会は15世紀に着工され、完成したのは18世紀で、バロック様式の美しい外観です。
内装は、特別な感じはなく、カラヴァッジョ作品も、どこか唐突に飾られている感じがありますが、このカラヴァッジョ作品は、もともとこの教会にあったものではなく、2009年からこの場所で展示しています。
そのため、とって付けたような違和感を感じるのは、致し方ないことかもしれません。
作品自体は素晴らしく、数あるカラヴァッジョの傑作の中でも、心に残る作品で、シラクーサに足を運んだら、ぜひ鑑賞をおすすめしたいです。
作品の背後に描かれた洞窟の入り口のようなものは、シラクーサの考古学地区の、「ディオニュソスの耳」と呼ばれる洞窟周辺の風景から、カラヴァッジョがインスピレーションを得たのではないかと言われています。
2015年の段階では、入場は無料でした。そのため、この教会前を通るたびに入って、カラヴァッジョ作品を見てしまいました(笑)。
アレトゥーザの泉
「アレトゥーザの泉」は、シラクーサのもっとも有名な観光場所の一つです。
ギリシャ神話で、男に追いかけられたニンフのアレトゥーザが、逃れるために姿を変えた泉だと言われています。
海のすぐそばに沸いている、パピルスが生い茂る淡水の泉で、明るくもミステリアスな雰囲気があります。
また、このアレトゥーザの泉周辺は、海に陽光がよく当たり、きらめく海の景色が非常に美しいです。
ベッローモ宮州立美術館
ベッローモ宮州立美術館は、アントネッロ・ダ・メッシーナの、痛みの激しい『受胎告知』がある美術館です。
このアントネッロ・ダ・メッシーナの作品は確かに素敵ですが、それ以外の展示品は、個人の興味にもよりますが、それほど目を見張るほどのものはなかったかな、と感じました。
見所の多いシラクーサで、どうしても時間がない場合は、ここの観光を削ってもいいのかな…とは思います。
ただ、ルネサンス美術好きの方なら、アントネッロ・ダ・メッシーナの作品を見るためだけに入っても満足できると思います!
Calleria di Palazzo Bellomo
参考サイト:http://www.regione.sicilia.it/beniculturali/palazzobellomo/
考古学地区(高台)
ネアポリス考古学公園
ギリシャ劇場
シラクーサを代表する観光名所であるギリシャ劇場は、ネアポリス考古学公園内にあります。
切符を購入して、左方向に行けばギリシャ劇場です。途中にトイレもあり、冬場の訪問時ですが、まあまあ綺麗でした。
タオルミーナのギリシャ劇場より保存状態は悪いですが、シチリアで一番大きく、雄大な劇場跡です。
よーく遠くに目をこらせば、観客席の一番高い部分から海が見えます。
ディオニュシオスの耳
「ディオニュシオスの耳」とは、シラクーサでも有名な観光名所のひとつです。
小さな音でも音響効果によって響く不思議な洞窟で、僭主ディオニュシオス1世が、ここに閉じ込めた捕虜のヒソヒソ話を、上から盗み聞きしていたという伝承から「ディオニュシオスの耳」と呼ばれています。名付けたのはカラヴァッジョだとか。
実際に洞窟内で、小さな音を立ててみると、驚くほど内部で響きます。
「ディオニュシオスの耳」は、ネオポリス考古学公園内、切符売り場から、ギリシャ劇場と反対方向の右側に行った「天国の石切り場」と呼ばれる場所にあります。
ちなみに「天国の石切り場」には、「ディオニュシオスの耳」以外にもいくつか洞窟がありますが、内部に入れるのは、「ディオニュシオスの耳」だけです。
「天国の石切り場」の「天国」は、この石切り場周辺に、オレンジやレモンのような柑橘類の木が多く、静かで不思議な雰囲気が漂っていることから名付けられたそうです。アマルフィの「天国の回廊」に少し似た雰囲気です。
イタリア語:Parco monumentale della Neapolis
参考サイト:http://www.regione.sicilia.it/beniculturali/museopaoloorsi/parchi/neapolis.htm
州立パオロ・オルシ博物館
州立パオロ・オルシ博物館は、有名な「ランドリーナのヴィーナス」像を所蔵している博物館です。
結構広いので、鑑賞には急ぎ足でも1時間半くらいはかかります。
「ランドリーナのヴィーナス」は、順路の後ろの方(セクションD)にあります。館内はかなり広いので、このヴィーナスだけ見れればよいという方は、他の作品の鑑賞に時間をかけすぎないほうがよいかも。
「ランドリーナのヴィーナス」は、ポーズがフィレンツェにあるボッティチェリ作品『ヴィーナスの誕生』にそっくりです。フィレンツェで『ヴィーナスの誕生』を見た方は、比べてみると面白いです。
イタリア語:Museo Archeologico Regionale Paolo Orsi
参考サイト:http://www.regione.sicilia.it/beniculturali/museopaoloorsi/
サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ教会
サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ教会は、州立パオロ・オルシ博物館と近いので、一緒に訪問するのがおすすめです。
地震被害を受けたことのある教会で、写真で見た感じだと、廃墟的な美しさがあります。
残念ながら、我々が行った時は盛大な工事中で、何も見学できませんでした。有名なカタコンベは有料です。
シラクーサの観光名所を巡るお得な共通券について
ネアポリス考古学公園(ギリシャ劇場とディオニュシオスの耳が含まれる)、パオロ・オルシ博物館、ベッローモ宮州立美術館には共通券があり、いくつか種類もあります。
1.ネアポリス考古学公園+パオロ・オルシ博物館=€13.5(3日間有効)
2.ネアポリス考古学公園+ベッローモ宮州立美術館=€13.5(3日間有効)
3.パオロ・オルシ博物館+ベッローモ宮州立美術館=€12(3日間有効)
4.ネアポリス考古学公園+パオロ・オルシ博物館+ベッローモ宮州立美術館+la Villa del Tellaro=€24(5日間有効)
最後の€24の共通券は、現在、シラクーサの観光サイトに掲載されていません。もしかしたら、今は無くなってしまっているかもしれないので、現地で確認してください。
とはいえ、la Villa del Tellaro以外の3つに入りたい場合は、1の共通券を€13.5で購入し、さらにベッローモ宮州立美術館を単独で€8で入場しても€21.5となり、4の共通券より安くなるので問題ないですね(笑)。
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