【目次】
「ロミオとジュリエット」の舞台として知られるヴェローナには、エラス・ヴェローナと、キエーヴォ・ヴェローナという2つのサッカークラブがあります。
一般には「ヴェローナ」と言えばエラス・ヴェローナを指し、キエーヴォ・ヴェローナは「キエーヴォ」と呼ばれます。
2チームともセリエAに属しているシーズンもあり、ヴェローナは、サッカー観戦するチャンスの多い町です。
ヴェローナとキエーヴォは、「スタディオ・マルカントニオ・ベンテゴディ」というサッカースタジアムを共用しています。
この「スタディオ・マルカントニオ・ベンテゴディ」は、中心街や鉄道駅から、かなり行きやすい場所にあるので、ヴェローナでのサッカー観戦はおすすめです!
スタディオ・マルカントニオ・ベンテゴディへのアクセス方法
ヴェローナのサッカースタジアム「スタディオ・マルカントニオ・ベンテゴディ」は、イタリアのサッカースタジアムとしては、破格に行きやすいスタジアムです。
というのも、鉄道駅や、中心街から徒歩でアクセスできるんです!
ヴェローナの鉄道駅ポルタ・ヌォーヴァ駅から、スタディオ・マルカントニオ・ベンテゴディまでは、徒歩で15分程度です。
ヴェローナ中心街から行くには、南西にあるパリオ門から出ます。パリオ門からは徒歩10~15分程度です。
ドゥオモあたりから行くには少し遠いですが、アレーナくらいからであれば、徒歩30分前後です。
鉄道ポルタ・ヌォーヴァ駅から11、12、13番バス(日曜は90、95番バス)も出ていますが、バス切符を買ったり、バスを待ったりする時間を考えると、歩いたほうが早いと思います。
スタディオ・マルカントニオ・ベンテゴディは地球の歩き方の地図には掲載されていませんが、観光インフォメーションでもらえる観光地図には載っています。
ヴェローナでのサッカーチケットの買い方
スタディオ・マルカントニオ・ベンテゴディでは、当日券を購入することができます。
ヴェローナ対キエーヴォのヴェローナダービーか、よほどの好カードでない限りは、当日券購入でじゅうぶんだと思います。
特にキエーヴォは、本拠地であるキエーヴォ地区が小さな地区なので、観客動員はセリエAの中でも少ない方です。ちなみに観客数が少ないため、キエーヴォの試合の時は、トイレが使いやすいです。
ヴェローナのホームゲームのチケットは、ヴェローナ市内のヴェローナ公式ストアでも購入できます。アレーナの近くに公式ストアがあり、便利です。
こちらがエラス・ヴェローナの公式ショップです。
私が観戦した席
私はキエーヴォのホームゲームを観戦したことがあります。
「Poltronissme」という一番高額な席で観戦したのですが、キエーヴォの座席の料金体系は特殊で、センターラインに近い席が「Poltronissme」なのではなく、単に一番見やすい高さにある席が「Poltronissme」でした。
そのため、「Poltronissme」でも、ゴールライン付近の席になってしまうこともあります。なので、次に行くときは、「Poltronissme」の次に高い、「Poltrone」という、「Poltronissme」より少し上にある席でもいいかな、と思いました。
スタディオ・マルカントニオ・ベンテゴディは、全座席に屋根がついているので、屋根があるかどうかで座席を選ぶ必要はないです。
キエーヴォとヴェローナの試合チケットの値段はどのくらい?
セリエAは、対戦カードによってチケットの値段が変動するのが普通ですが、キエーヴォの試合チケットは、値段が一律です。
メインスタンド、バックスタンドは、最前列の「Poltronissme」が€100、その上の「Poltrone」が€50、ゴール裏が€30。女性割引や、シニア(60歳以上)、ジュニア(26歳以下)の割引もあるので、詳細はキエーヴォの公式サイトでどうぞ。
ヴェローナホームの試合は、試合ごとにチケット価格が設定されますが、キエーヴォのチケットの値段と、だいたい同じくらいの相場です。
キエーヴォとヴェローナはキャラが正反対!
ヴェローナの2つのサッカークラブ、キエーヴォとヴェローナは、応援しているサポーターのキャラが全く違い、非常に対照的です。
キエーヴォは小さい地区のかわいいチーム!
キエーヴォのホーム試合は、いろんな意味で、セリエAの中では特殊です。何といっても、キエーヴォサポーターの絶対数が少ないです。
これは、キエーヴォが人気がないという意味ではなく、キエーヴォが本拠地としているのは、ヴェローナ全体ではなく、ヴェローナ郊外のキエーヴォ地区という、小さい地区なのです。
キエーヴォ地区はこのあたり。地区の人口は、イタリア版ウィキペディアによると4000人程度だそうです。
この、ただでさえ数が少ないキエーヴォサポーターが、行儀よく振る舞うことをポリシーにしているため、スタジアムでも実におとなしいです。
そのため、アウェイチームのサポーターが、安全に過ごすことができます。
アウェイチームのサポーターが、明らかにアウェイの応援の格好をして、街中やスタジアム周辺を練り歩くなんてこと、キエーヴォのホーム試合以外ではまずありえません。
そもそも、キエーヴォのホームゲームでも、アウェイチームのサポーターの方が多いくらいです。
また、こういった事情から、キエーヴォは、セリエAの他のチームのファンからも愛されています。
日本でいう判官贔屓のようなものでしょうか。高校野球で、小さな町から公立の代表校が出てくると、無関係の人でも応援してしまうのに似ています。
地元ラブなイタリア人は、基本的には自分の出身地のサッカークラブを応援しますが、2番目に応援しているのはキエーヴォ、というサッカーファンも多いそうです。
というわけで、セリエAの試合の中で、キエーヴォのホームゲームは、最も安全な試合と言えます。女性でも子供でも安全!安心のキエーヴォ印!とにかく安全にサッカーの試合が見たいという方は、ぜひぜひキエーヴォの試合観戦をおすすめします。
かわいいキエーヴォちゃんのことを、もっとよく知るには、サッカーとイタリア人 (光文社新書)の「ロバが飛んだ」話が面白いですよ!
エラス・ヴェローナは嫌われ者の問題児!?
それに対し、ヴェローナ全体を本拠地とする、エラス・ヴェローナ。
エラス・ヴェローナは、歴史が古く、かつてはセリエAを制したこともあるそうです。
長らく低迷していましたが、最近は復活を果たし、セリエAで戦っているシーズンが多くなりました。
このエラス・ヴェローナは、ヴェローナ全域にファンが多く、そして、ファンが過激なことで知られています。
北イタリアのヴェローナなのに…と驚きますが、ヴェローナのファンは政治的に極右で(イタリアのサッカークラブと政治思想の関連性は、簡単に語り尽くせるものではありませんが)、過激な言動で問題を起こすこともあります。
そのため、ヴェローナのファンは、他のクラブのファンと衝突することも多く、セリエAの問題児として、好まれない傾向にあります。清くかわいらしいキエーヴォとは、正反対といったところでしょうか。
そんな嫌われ者エラス・ヴェローナですが、狂熱のシーズン―ヴェローナFCを追いかけてという本を読むと、ヴェローナファンに共感はしないまでも、憎めない部分もあります。
この本は、ちょっと古いですが、イタリア人とサッカーの関わり方を深く知ることができて、また、読み物としても面白いので、特にヴェローナの試合を見る機会があれば、一読をおすすめしたい本です。
- イタリア旅行マニアで今まで9回イタリアに足を運んでいます。何度でもイタリアに行く自分のために、イタリア旅行のマニュアルを作成したのがこのサイトです。
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