【目次】
水の都・ヴェネツィアはこんな町です!
「水の都」「アドリア海の女王」などの異名を持つ町・ヴェネツィアは、ラグーン(潟)と呼ばれる、陸と海の中間のような、浅瀬に建設された都市です。
海抜わずか数メートルという特異な立地条件から、なかなか他に例を見ない特殊な町が出来上がり、世界でもっとも有名な観光都市の一つです。
ヴェネツィアの魅力はまず「運河」
ヴェネツィアの一番の特徴は、何と言っても主要な道が運河であること。
中世から近世にかけて、まだ陸上交通が発達せず、海上交通が優勢だった時代に、ヴェネツィアは特異な地形を生かして、運河を町中に網のように張り巡らせ、海洋商業都市国家として発展しました。
今でも運河は、市民の足として使われています。
運河から直接建物が立ち上がる、特別な町の風景は、一見の価値があります。
光り輝く昼の運河、人工的な灯りを反射した夜の運河、どちらもロマンチックです。
ヴェネツィアは陸地部分も面白い!
運河に目を取られてついつい忘れられがちになりますが、運河ではなく陸の道の方も見どころがあります。
狭い土地に縦横無尽に張り巡らされた小道や、土地を有効利用するためのトンネル道などが入り組み、ヴェネツィアの陸部分は等身大の迷路のようです。
ちなみにヴェネツィアの陸地部分は道が狭すぎて、車両は一切入ることができず、ヴェネツィアで使える交通手段は運河を走る船に限られています。
ヴェネツィアに行く際は、ゆっくりした日程で、運河、陸路、ともに町歩きを楽しみましょう。
ヴェネツィア派絵画も必見!
ヴェネツィアはフィレンツェと同じように、ルネサンス美術が発展した都市です。
ティツィアーノ、ベッリーニ、ティントレット、ヴェロネーゼ、カルパッチョなど、ヴェネツィア派と呼ばれる、ルネサンス期の画家たちの、色彩豊かな絵画は必見です。
ヴェネツィア派の絵画をまとめて観賞できるのは、ドゥカーレ宮殿とアカデミア美術館です。
教会に描かれたヴェネツィア派絵画も多く、小さな教会で素晴らしいルネサンス絵画を楽しめるのも、ヴェネツィア観光の特徴です。
ヴェネツィア?ベネチア?ベニス?
ヴェネツィアは、いろいろな呼び方がありますが、イタリア語「Venezia」に一番近い日本語表記は「ヴェネツィア」です。
より日本語っぽく「ベネチア」と書かれることもありますが、このサイトでは「ヴェネツィア」と表記することにします。
「ベニス/ヴェニス(Venice/Venis)」は、英語名です。
シェイクスピアの「ベニスの商人」、トマス・マンの「ベニスに死す」は、どちらもヴェネツィアが舞台です。
ヴェネツィアの位置
ヴェネツィアは、イタリア北部の都市です。
イタリア半島の東側、アドリア海側の付け根に位置します。
同じ北部イタリアでもミラノは中央よりもやや西寄りなので、ヴェネツィアとはあまり近くなく、中部のフィレンツェと同じくらいの距離になります。
私は高校時代に、世界史の勉強で、どうしてもヴェネツィアとジェノヴァの位置が覚えられず、苦労した思い出があります。今ならバッチリ覚えているのに!
ちなみに、ジェノヴァはちょうど反対側、ティレニア海側の付け根です。
ヴェネツィアの気温・天気
ヴェネツィアは、イタリア北部の町なので緯度が高いですが、海洋性気候のため、春夏は比較的天候が良く、温暖です。
ただし、冬は雨が多く、寒いです。
天候が悪い日が続くと、運河から霧が立ち上り、視界が悪くなることもあります(それはそれで素敵な景色なのですが)。
また、アクア・アルタが起こる可能性が高いのが秋冬です。
ヴェネツィアの「アクア・アルタ」って何?
アクア・アルタ(イタリア語の発音ではアックア・アルタ)とは、ヴェネツィアで時々発生する、高潮による冠水のことです。
ヴェネツィアは、大変に海抜が低い場所に建設された町なので、ちょっとした気象条件によって、運河の水位が上がり、町が水浸しになってしまうのです。
ヴェネツィアの人々は、アクア・アルタに慣れていますので、観光ルートや大通りには、アクア・アルタ警報・注意報が出ると、足台をつなげた、即席の高架(?)歩道が用意されます。
私がヴェネツィア滞在した間にも、サン・マルコ広場に足台の道が用意されていたことがありました(アクア・アルタは幸い起こりませんでしたが)。
アクア・アルタは一年中起きる可能性がありますが、比較的多いのが秋から冬にかけての時期で、特に10~12月に多いです。
「アクア・アルタに備えて防水長靴を持って行かなきゃ…」と思うかもしれませんが、さすがに荷物が増えます。
万が一アクア・アルタに遭遇した場合は、ヴェネツィアのあちこちで販売される長靴を購入する方が合理的かな、と思います。
ヴェネツィアでの服装
ヴェネツィアは、世界中から人が集まる観光地なので、皆、思い思いの恰好をしています。
気をつけたいのは、サン・マルコ寺院は、ノースリーブやミニスカートなど露出の高い服装では入れないので、特に夏は、肌を隠せるものを準備しておきましょう。
運河の町なので、当然、夏は蚊が多いことで有名です(ボウフラ天国…)。
あまり露出が多いと、蚊に刺されて大変かもしれませんので、蚊への対策は考慮した方がよいかもです。
また、冬はかなり寒いので、防寒対策を怠らないようにしましょう。雨も多いので、レイングッズも必須です。
ヴェネツィアにはヴェネツィア本島以外にも多くの島がある!
ヴェネツィアというと、逆S字の大運河が流れるヴェネツィア本島が最も有名です。
ですが、ヴェネツィア本島以外にも、ヴェネツィアが建設されたラグーン(潟)には、小さな島がたくさん点在しています、
これらの小さな島々は、ミニ・ヴェネツィアのようなかわいらしい島が多いです。
人気が高いのは、ヴェネツィアン・グラスで有名なムラーノ島。
サン・マルコ広場を見下ろせる位置にあるサン・ジョルジョ・マッジョーレ島。
カラフルな色に塗られた家々がかわいいブラーノ島。
古いモザイクがある教会が残るトルチェッロ島などです。
ほとんどの島にはヴェネツィア本島からヴァポレットを使って日帰りできますので、気になる島があったら、ぜひ足を運んでみましょう。
- イタリア旅行マニアで今まで9回イタリアに足を運んでいます。何度でもイタリアに行く自分のために、イタリア旅行のマニュアルを作成したのがこのサイトです。
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