【目次】
アレッツォという町を語る上で、二人の外せない芸術家がいます。
一人は、アレッツォ生まれのヴァザーリ。
ルネサンス期の芸術家のエピソードを記した「芸術家列伝」の作者であり、自身も画家・建築家です。
ヴァザーリが住んでいて、設計・装飾までした「ヴァザーリの家」は、アレッツォの観光名所のひとつです。
もう一人は、ピエロ・デッラ・フランチェスカ。
ルネサンス初期の画家で、遠近法を駆使した理知的な画風が特徴的です。
やけに無表情な人物画には不思議な魅力があり、日本ではそれほど有名ではありませんが、コアなファンが多い画家です。
アレッツォには、このピエロ・デッラ・フランチェスカの最高傑作と呼べる作品があります。
それは、サン・フランチェスコ教会に残るフレスコ画『聖十字架の伝説』です。
この作品は、地球の歩き方 フィレンツェとトスカーナで、熱烈にプッシュされているので、ご存知の方も多いかもしれません。
私も、地球の歩き方を読んで、写真を見る限り、そこまで興味は沸かなかったのですが、「そこまで推すなら…」と、だまされたつもりでアレッツォへ足を運んでみました。
結論は!地球の歩き方は、全然だましていませんでした!本当に素晴らしい作品でした!
このページでは、ピエロ・デッラ・フランチェスカの『聖十字架の伝説』を鑑賞する方法をガイドします。
サン・フランチェスコ教会
ピエロ・デッラ・フランチェスカの『聖十字架の伝説』があるのは、サン・フランチェスコ教会(Basilia San Francesco)です。
サン・フランチェスコ教会の、主祭壇に、ぐるっと描かれているフレスコ画が、『聖十字架の伝説』です。
サン・フランチェスコ教会の入場が有料になりました!
以前は、サン・フランチェスコ教会の入場自体は無料で、この無料ゾーンからも、『聖十字架の伝説』は遠目からであれば眺めることができました。
『聖十字架の伝説』を、もっと間近で見たい人だけが、€8払って、祭壇の中に入れてもらい、見学する方式でした。
しかし、現在では、サン・フランチェスコ教会自体の入場=『聖十字架の伝説』の鑑賞となり、€8払わないと、教会自体に入れなくなったようです。
私の予想ですが、これにはワケがあると思います。
以前の方式では、€8の切符を購入した人は、教会内でスタッフに申し出て、祭壇内に入れてもらう方式でした。
しかし、これがわかりづらく、€8の切符を持っているのに、スタッフに声をかけず(スタッフの怠慢もあるような気がするが…)、無料ゾーンから遠目で見るだけで、サン・フランチェスコ教会を後にする観光客がいたのです。
私も危うく無料ゾーンのみで帰ってしまうところだったのですが、何とかもう少し近くで見たいと、あちこち歩き回って粘っている内に、「もしかして、スタッフに言えば中に入れてもらえるんじゃ…」と気付いて、中に入ることができたのでした。
私が粘っている間に、切符を持っていたのに、有料ゾーンに入らずに帰ってしまった観光客が何人かいたんですよね…。
おそらく、そんなことが多かったので、教会の入場自体を有料にして、教会にさえ入れば、そのまま普通に『聖十字架の伝説』がある祭壇まで行けるスタイルに変えたのではないかと思います。
以前は、切符売り場は、駅から見て教会の右側、Via Madonna del Pratoにありましたが、公式サイトを見ると、現在は、教会そのものが有料になったためか、教会の正面入り口(駅から見ると、ちょうど反対側)にあるようです。
『聖十字架の伝説』の鑑賞には予約が必要?
イタリアの古い壁画は、保存のために入場制限が設けられることがあります。代表的なものでは、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』が挙げられます。
この『聖十字架の伝説』も、公式には予約が必須で、一度に25人までしか入れず、30分のみの鑑賞となっています。
ただし、アレッツォは、イタリアの観光ルートから外れていることもあり、今のところ、早めの予約は必要なく、当日すぐに予約が取れると言われています。
私が行ったときも、予約なしで行きましたが、切符を購入したら、すぐに中に入れてもらえました。
鑑賞中は貸し切り状態で、次の予約客も入ってこなかったため、30分以上中にいても何も言われませんでした。
一応、現状はそのような感じですが、団体ツアーや修学旅行生と重なってしまうと、入場できないという可能性もゼロではありません。
私だったら、とりあえずアレッツォでは最初にサン・フランチェスコ教会に行き、もしその場で入場できないようであれば、その日の空きがある時間の予約を取ります。
それでもやっぱり心配…という人は、滞在しているホテルにお願いして、事前に予約を取ってもらうか、公式サイトでオンライン予約できます。
オンライン予約する場合は、公式サイトのトップページから、購入したいチケットをクリックして、先に進みます。
③がサン・フランチェスコ教会のみの切符で、€8のものです。
④はヴァザーリの家、中世博物館、考古学博物館との共通切符€12。この中でヴァザーリの家だけ入りたい場合は、ヴァザーリの家の単独入場券は€4なので、それぞれ単独で購入する場合と、値段は変わりません。
①はサン・フランチェスコ教会に、動画鑑賞を加えたもの。タイトルから察するに、昔、イタリア旅行が「グランドツアー」と呼ばれていたころの画像を3D編集したものだと思われます。
②は④+3Dの動画鑑賞です。
『聖十字架の伝説』も写真撮影が解禁に!
イタリアでは、観光地の写真撮影解禁の流れが続いていて、現在は『聖十字架の伝説』も写真撮影できるようです。
私が足を運んだ時は、まだ、写真撮影禁止だったため、私は、このサイトでご紹介できるような『聖十字架の伝説』の画像を持っていません。
公式サイトで、フレスコ画の画像を見ることができますので、画像を見たい方はご確認下さい。
でも、『聖十字架の伝説』は、写真で見るより、実物の方がずっと素敵なので、ぜひぜひアレッツォを訪問してみてくださいね!
サン・フランチェスコ教会
イタリア語:Basilica di San Francesco
公式サイト:http://www.pierodellafrancesca-ticketoffice.it/
- イタリア旅行マニアで今まで9回イタリアに足を運んでいます。何度でもイタリアに行く自分のために、イタリア旅行のマニュアルを作成したのがこのサイトです。
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