【目次】
北イタリアの南チロル地方を旅する方に、ぜひ足を運んでほしいのがチロル城(ティローロ城)!
「チロル」の語源となった、チロル伯が居城としていたお城で、現在はのどかな山奥に牧歌的にたたずんでいます。
外観も内部もとっても素敵なチロル城を、張り切ってガイドさせて頂きます!
チロル城の入口とクローク・トイレ情報
チロル城には、こんなに素敵な門をくぐって入ります!
門を入り、すぐ右手に切符売り場があります。
私はリッテンカードを持っていて無料入場できましたが、こういった共通券もこの切符売り場で提示します。
入ってすぐ左手に、トイレとクロークがあります。
トイレはとってもキレイでした!…が、私が訪問したのは、チロル城が冬季休業から明けた初日だったので、そのおかげもあるかな?
トイレの近くにはコインロッカーがあります。
コインは荷物を出すときに戻ってくるので、チロル城のコインロッカーは実質無料で使えます。
チロル城は広く見学に時間がかかるので、荷物はコインロッカーに預けて、なるべく身軽になって見学することをおすすめします!
ロマネスクの扉(Portali)
順路通りに行くと、最初に入る建物の中に、チロル城最大の見どころであるロマネスク期の扉があります。
このロマネスク扉は礼拝堂の扉なのですが、礼拝堂自体が建物の中にあり、扉も建物の中。
建物全体の扉ではなく、部屋と部屋をつなぐ室内の扉です。
この扉は、ロマネスク期の魅力的な彫像の数々で飾られています。
ロマネスク芸術とは、ヨーロッパでルネサンスが花開く前の中世芸術。彫像はリアリティに欠けますが、素朴でユーモラスな姿形が魅力です。
イタリアで観賞できるロマネスク彫刻を代表する作品で、ひとつひとつの彫像をじっくり見てしまいます。
室内にある扉だからこそ、こんなに保存状態がよいのかもしれませんね!
この扉を見るためだけにでも、チロル城に行く価値があると思います!
下の礼拝堂(Cappella inferiore)
ロマネスクの扉をくぐると、下の礼拝堂(Cappella inferiore)があります。
1138年頃にチロル城が再建されたときに作られた礼拝堂で、聖パンクラティウス(San Pancrazio)に奉げられました。
聖パンクラティスとは、古代ローマで殉教した少年で、「宣誓」「誓うこと」を守護する聖人だそうです。
礼拝堂内には、ゴシック期(ロマネスクの次の文化)に描かれたフレスコ画が残されています。
チロル地方で見るフレスコ画は、人物の表情に穏やかな雰囲気が漂っていると感じます。
チロルの穏やかな気候が現れているのでしょうかね。
上の礼拝堂(Cappella superiore)
下の礼拝堂で天井を見上げると、2階のようなものがあることに気づきます。
礼拝堂はもともと一つだったのですが、1285年頃に2階の礼拝堂=上の礼拝堂(Cappella superiore)が増設され、ハンガリー王女として知られる聖エルジェーベトに奉げられました。
聖エルジェーベトはチロル伯の遠い親戚です。
上の礼拝堂にも行けます。ロマネスク扉ではないけど、上の礼拝堂に入る扉も素敵!
上の礼拝堂にも、ゴシック期のフレスコ画が残されています。
軍用通路(Camminamento di ronda)
チロル城には軍用通路が張り巡らされていて、そこを歩くことができます。
現在はのどかな雰囲気のチロル城ですが、要塞であったことを思い起こさせるエリアです。
通路には、銃眼が備えてあります。
その昔は敵を見張っていたはずの窓の向こうには、穏やかなチロルの風景が広がっています。
「チロル人になろう!」のコーナー
途中に、「チロル人になろう!」のコーナーがあります。
「チロルの衣装を着て、チロリアン(チロル人)になった自分を記念撮影しようぜ!」という、いかにも平和な観光客向けのコーナー。
私もチロリアンになりました!誰も見てなかったから恥ずかしくなかったし!
気分が乗れば、玉座に座って「チロル伯になった私」を撮影することもできますよ!
食堂(Refettorio)
Refettorio(食堂?)と呼ばれるエリアには、チロル城の絵などが飾られています。
19世紀には、こういったチロル城の絵が描かれるようになり、観光地としての知名度が高まったのだとか。
子どもの落書き!?と思うような、ほのぼのとしたフレスコ画もいくつか残っています。無表情に三角帽子をかぶっている人物が何だかシュールですね。
塔からのパノラマ
チロル城自体が標高の高い場所にありますが、チロル城の一番高い塔の上まで上ることができます。
塔の中は博物館のようになっていて、オーストリアとイタリアの国境に位置するチロル城の、複雑な歴史をさかのぼる展示になっています。
オーストリアのハプスブルク帝国の紋章。下に「インスブルック」と書かれてますね。
チロル地方を代表する菓子メーカー「ローカー」の古いポスター。
一番上まで上ると、眼下にチロルの風景が広がります。
鳥のシルエットは、チロル城が観光客のために窓に貼っている親切な演出です!
この塔の上まで上るのは、5~10分くらいで、それほどきつくありませんでした。
まとめ
非常に素敵だったチロル城を、ちょっとくわしく紹介してみました!
チロル城は、アクセスが少し面倒なのですが、ちょっと手間をかけてでも訪問をおすすめしたいスポットです!
山あいにたたずむ中世にタイムスリップしたような外観と、内部のロマネスクの扉は、イタリアの数ある観光名所の中でも、特に心に残っています。
チロル城は冬季はクローズしてしまうので、公式サイトで開館している時期を確認することを忘れないでくださいね!→チロル城公式サイト
- イタリア旅行マニアで今まで9回イタリアに足を運んでいます。何度でもイタリアに行く自分のために、イタリア旅行のマニュアルを作成したのがこのサイトです。
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