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イタリアへ個人旅行に行く場合、イタリアに不慣れなうちは、バスより電車を使う旅程を作るのがおすすめです。
というのも、イタリアのバスは、「遅れる・わかりにくい・トイレがない」…と、旅行者にとってはなかなか厄介な代物なのであります。
今までは、「イタリアのバスは困ったちゃんなので、相対的に鉄道がおすすめ」と言ってきましたが、最近のイタリアの鉄道は、だいぶ立派になってきました。
鉄道の遅延が減ってきましたし、何より車両がキレイになりました。車両についているトイレも、最近ではほとんど紙が用意されていて、清潔です。
このページでは、イタリアの鉄道事情について、簡単にまとめてみました。
イタリアの鉄道網は、南北が軸
日本の都市部と比べると、イタリアの鉄道に対しては「フッ…まだまだだな」と言いたくなりますが、実はイタリアは、ヨーロッパの中では、かなり鉄道が発達した国なのだそうです。
イタリアの鉄道網は、南北に伸びている線が軸になります。
ティレニア海側はミラノ→ボローニャ→フィレンツェ→ローマ→ナポリ、アドリア海側はヴェネツィア→ボローニャ→アンコーナ→ペスカーラ→バーリと、大都市を南北につなぐ路線を軸として、路線が広がっています。
逆に、アペニン山脈が縦方向にイタリアをつらぬいているためか、中部以南の、東西をつなぐ鉄道アクセスは、あまりよくなく、見た目の距離に対して、時間がかかります。
また、トスカーナ州やウンブリア州など、イタリア中部の丘上都市は、鉄道駅から旧市街が離れていて、鉄道駅からバスでアクセスしなければならないこともあります。
イタリアの国鉄と私鉄
イタリアの鉄道にも、日本のJRと私鉄のようなものが存在します。
日本のJRに当たるのが「Trenitalia(トレニタリア)」で、現在は民営ですが、国鉄を引き継いだ鉄道会社です。「FS」とも呼ばれます。
「Trenitalia」の何を略せば「FS」になるの?と不思議に思うかもしれませんが、「FS」というのは、国鉄時代の愛称が残ったものだそうです。
「Trenitalia」は、イタリア全土に広がっていて、旅行者が利用する鉄道の多くが、この「Trenitalia」になります。
私鉄は、旅行者の利用が多い線だと、都市部を結ぶ高速列車「itaro(イタロ)」、とんがり屋根の町アルベロベッロを通る「Sud-Est(スド・エスト)」、サッシ住宅のあるマテーラを通る「Appulo Lucane(アップーロ・ルカーネ)」などがあります。
Trenitalia(FS)の電車の種類
イタリアの鉄道路線の多くを占めている「Trenitalia」には、日本の特急・急行・各停のような、さまざまな種類の電車があります。
Freccia(フレッチャ)
日本の「新幹線」に該当するような(厳密な鉄道ファンからは「違う!」と言われると思いますが)、一番速くて、高くて、キレイな電車です。要予約で全席指定。
以前はEurostar(エウロスター/略してES)と呼ばれていましたが、現在は、イタリア語で「矢」を意味する「Freccia」が正式名称です。ただし今でも、電光掲示板などで、「ES」と表示されているのを見ることがあります。
「Freccia」には三種類あって、車体の色で呼び分けられています。ハイテクな順に紹介します。
Frecciarossa フレッチャロッサ(赤色)
「Frecciarossa」は、高架線を走り、イタリアの主要都市をつなぐ高速電車です。たいへんにキレイです。
以前は、1等/2等という区分けでしたが、現在では、4種類もの座席クラスに分かれています。
高価な座席順に、Executive/Business/Premium/Standardとなります。
Businessクラスの中には、より静かな環境で座れる「Area Silenzio」、コパートメント仕様の「Salottino」などが含まれています。
Executiveは食事付き、BusinessとPremiumはウェルカムドリンク付きです。
Frecciargento フレッチャルジェント(銀色)
「Frecciargento」も高架線を走る高速電車。「Frecciarossa」との違いは、首都ローマが発着駅となり、ローマと準・主要都市間を結んでいることです。
座席クラスは1等/2等に分かれていて、1等はドリンクサービスが付きます。
Frecciabianca フレッチャビアンカ(白色)
「Frecciabianca」は、高架線路のない地域で、大きな都市をつなぐ電車です。アドリア海側の主要都市間を移動する時は、この「Frecciabianca」を利用する機会が多いです。
座席クラスは1等/2等があり、1等にドリンクサービスが付くのは、北部の一部地域を走る電車のみです。
Intercity(IC) インテルシティ
「Freccia」よりも近距離間を結ぶ特急電車が、Intercity。略称でICとも呼ばれます。要予約で全席指定です。運賃は「Freccia」よりは安く、各駅停車(R、RV)よりは高いです。
座席クラスは1等/2等があります。1等のドリンクサービスは、公式サイトを見る限りなさそうです。
「Intercity」には、個室車両や寝台車両が連結している夜行列車があり、夜行の電車は「Intercity Notte」と呼ばれます。
Express(E) エクスプレス
数は少ないですが、英語で「急行」を意味する、「Express」という電車のカテゴリーが存在します。
ローマのフィウミチーノ空港とテルミニ駅を結ぶ「Leonardo Express」が、この「Express」に当たります。座席指定は、今のところ不要です。
Regionale Veloce(RV) レジョナーレ・ヴェローチェ
「Regionale Veloce(レジョナーレ・ヴェローチェ)」は、直訳すると、「速い各駅停車」。略して「RV」。日本で言えば、準急くらいの位置づけです。
予約不要、自由席オンリーで、切符の値段も各駅停車と同じです。
「Intercity」と、所要時間がほとんど変わらないのに、切符の値段は「RV」の方が格段に安い、ということもあります。
「RV」は「安くて速い子」なので人気があり、路線によっては、混雑していることもあります。イタリアの車両は中央、前方が混みやすいので、座席が見つからない場合は、後方まで探してみましょう。
Regionale (R) レジョナーレ
「Regionale(レジョナーレ)」は、各駅停車です。略称は「R」。予約不要、全席自由です。
とことこと走って、マイナーな駅にも停車する、とっても親しみの持てる電車ですが、イタリア旅行で、ごくごく近距離を移動することは少ないので、あまり使う機会はないかもしれません。
この「Regionale」、昔は「安くて遅いオンボロ電車」というイメージでしたが、最近は様子が代わってきました。
2017年の旅行では、私が目撃した限りでは、ヴェネト州、エミリア・ロマーニャ州では、州がTrenitaliaとコラボした感じの、非常にハイテクで美しい電車が、なめらかに走っておりました。
ただし、姉の意見では「今は作ったばかりでキレイだけど、3年も経てば、落書きされてオンボロ電車になってるよ」。…むむっ…そうかもしれない…。
イタリアの鉄道は遅れるって本当?
時間通りに来ないことで有名な、イタリアの鉄道。
最近、電車の外装・内装や、駅のインフラなどがだいぶ整備されてきたイタリア鉄道界ですが、電車の遅延は相変わらずだなあという印象です(2017年旅行後の感想)。
南に行けば行くほど、電車は遅れます。今までの最高記録は44分の遅延っ(2012年SudーEst線@アルベロベッロ)!本当にねえ…。どうやったら44分も遅れるんでしょうねえ…。乗り換え予定があるときは、乗り換えの時間は多めに取っておいた方が無難です。
ちなみに、乗り継ぎ予定の電車は、その前の電車が数分遅れている場合は、待っていてくれることもあります。が、44分遅れの時は、さすがに行ってしまってました…。
Frecciaは、イタリアが国の威信をかけて運行してるそうで、大きく遅れることはあまりありませんが、5分10分の遅れは日常茶飯事です。Frecciaどうしの乗り換えでも、乗り換え時間は、30分くらいは見ておいた方が無難だと思います。
イタリアの電車内のトイレ
イタリアの電車は、ほとんどトイレがついています。
国鉄でも私鉄でも、車内のトイレは、意外と使えるレベルであることが多いです。特に最近は、結構きれいになってきました。嬉しいこと限りなしです。
ただ、手洗いの水が出ないことは今でもよくあるので、電車内でトイレに行くかもしれない場合は、抗菌ウェットティッシュを持っておくと便利です。
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