【目次】
「神殿の谷」見学に必要な所要時間は?
アグリジェントの「神殿の谷」は、本当に広大です。
西端のディオスクロイ神殿から、東端のヘラ神殿まで、1.5㎞ほど距離があります。
私は休憩を挟みながら5~6時間滞在しましたが、それでようやく満足できました。ただし、この所要時間内に、「考古学博物館」「ヘレニズム期・ローマ期地区」は回っていません。
私はかなりのギリシャ神殿好きなので、ダラダラと神殿前で過ごしてしまいます。平均的な速度で歩くならば、だいたい3時間くらいが所要時間になるかと思います。
もちろんギリシャ神殿はちょっとずつ見れればOKという方は、もっと少ない所要時間でも歩けると思いますが、「神殿の谷」内には、ゆるやかながらアップダウンもあるため、余裕を持った計画を立てることをおすすめします。
「神殿の谷」の出入り口について
「神殿の谷」の出入り口は、ガイドブックの地図では、3つ記載されていることが多いです。
1. ディオスクロイ神殿近くの出入り口
2. エルコレ神殿近くの出入り口(ヘラクレス神殿)
3. ヘラ神殿近くの出入り口
しかし、私が行った時に開いていたのは、「神殿の谷」の西端にある、1のディオスクロイ神殿近くの出入り口だけでした。
2のエルコレ神殿近くの出入り口は、一番考古学博物館に近く、市街地にも近いので、ここが開いていると効率的に歩けるのですが、残念ながら閉まっていました。
3のヘラ神殿近くの出入り口は、開いてはいたのですが、切符売り場が閉まっていて、出口オンリーとして使われていました。
私が行ったのはオフシーズンの3月だったので、観光客が多い夏場は、出入り口が開いている状況が違うかもしれません。
いずれにせよ、「神殿の谷」は広大で、たとえばヘラ神殿から入ろうと思って足を運んだら、そこから入れず、ディオスクロイ神殿近くの出入り口まで移動しなければならないなどという事態になると、非常に時間のロスになります。
「神殿の谷」へ向かう前に、アグリジェント新市街の観光インフォメーションで、出入り口情報をしっかり確認しましょう。
もしくはバスで行く場合は、バス会社のスタッフさんたちは出入り口情報を把握していて、乗るべきバスを教えてくれます。
どの出入り口から入るかによって、乗るべきバスの番号も違ってくるので、詳しくは「神殿の谷」への行き方の記事をご覧ください。
「神殿の谷」は、どの出入り口から観光をはじめるのがよい?
1のディオスクロイ神殿近くは「神殿の谷」の西端、3のヘラ神殿近くは東端になります。
もし1も3も開いている場合は、ヘラ神殿は、やや高台に位置するので、3から入って1から出れば、全体として下り坂になるので楽に歩けます。
ただし、「神殿の谷」のトイレやカフェがある休憩所は、ヘラ神殿とコンコルディア神殿の間にあるので、ヘラ神殿に入ってすぐカフェに入るより、3から入って、行程の三分の二を過ぎたところで休憩する方がよいと思います。
また、ヘラ神殿からコンコルディア神殿側へ広がるパノラマは美しく、「神殿の谷」の最後に見るのがふさわしいです。
休憩のタイミングや、観光の盛り上がりを重視したい人は1(ディオスクロイ神殿)→3(ヘラ神殿)の方向へ、坂道の上り下りを楽にしたい方は3(ヘラ神殿)→1(ディオスクロイ神殿)の方向へ歩くのがおすすめです。
「神殿の谷」の見どころを回るモデルルート
私が「神殿の谷」へ行った時は、ディオスクロイ神殿近くの入り口からしか入場できなかったので、必然的にディオスクロイ神殿からヘラ神殿へ向かって歩きました。
私が歩いたルートに従って、「神殿の谷」を歩くモデルルートをご紹介します(東に向かって歩くだけなのですが(笑))。
- ディオスクロイ神殿
- 西側から入ると、一番最初に現れる神殿。別名「カストール・ポルックス神殿」とも呼ばれ、双子座のモデルとなっている兄弟神を祀っていると言われる神殿跡です。周囲には倒れた柱の一部が転がり、穏やかに野の花も咲いていて、どこか牧歌的な雰囲気のある場所です。
- ジョーヴェ・オリンピコ神殿
- アグリジェントの遺跡がごちゃごちゃっとした写真を見たことがあるかもしれませんが、一番ごちゃごちゃっとしてるのがこのエリアです。ジュピター神殿とも呼ばれ、元は大神ゼウスを祀っていた巨大な神殿が崩れた瓦礫が積み重なっています。人間の形をした柱「テラモーネ」が見つかったのがこのエリアです。現在「神殿の谷」に転がっているテラモーネはレプリカで、本物は博物館にあります。
- エルコレ神殿(ヘラクレス神殿)
- 古代ギリシャの柱が立ち並ぶエリアが、エルコレ神殿跡です。エルコレは「ヘラクレス」のイタリア語読みなので、日本ではヘラクレス神殿という呼び方の方がポピュラーかもしれません。このエリアは南側が開けていて、海が見えます!海の向こうはアフリカ大陸です。アグリジェントは古代ギリシャ時代に、たびたび北アフリカに拠点を置くカルタゴと戦ったらしいのですが、その歴史に思いを馳せたい場所です。
- コンコルディア神殿
- 「神殿の谷」で最も保存状態がよいのがコンコルディア神殿。あまりにも大きく、既にジュピター神殿あたりから、その姿がちらちらと見えています。「神殿の谷」で最も観光客が多いのがこのエリア。コンコルディア神殿の近くにイカロスの銅像が転がっていますが、古代ギリシャ時代のものではなく、現代アートです。
- 休憩所(カフェ・トイレ)
- コンコルディア神殿とヘラ神殿をつなぐ道路は舗装されていて歩きやすく、途中にカフェとトイレのある休憩所があります。神殿の谷は広大なので、ここでちょっと一休みしましょう。トイレの数はあまり多くないので、私が行った3月はガラガラでしたが、夏場は並ぶかもしれません。また、カフェの閉店時間は、「神殿の谷」の閉園時間より1時間早かったです。
- アグリジェントヤギ
- カフェの近くには、運がよければ、放し飼いされているアグリジェント固有種のアグリジェントヤギが出没します。人間を怖がりませんが、寄ってはきてくれませんでした(まあ来られても困るけど…)。
- ヘラ神殿
- このルートだと、最後に現れるのがヘラ神殿。ヘラ神殿へはゆるやかな階段を上ります。ヘラ神殿は、神殿の姿自体も優美ですが、高台にあるため、「神殿の谷」のパノラマが拝めます。「神殿の谷」で一番感動した眺めでした。
「神殿の谷」のライトアップを見よう!
アグリジェントの神殿や遺跡は、夜間はライトアップされます。
ライトアップは、3月は6時半くらいから始まりました。
冬季だったためか、6時以降、神殿の谷から観光客はサーッとひいてしまいました。あまりライトが明るくない場所もあるので、一人旅の女性などは、周囲の様子を見ながら、ライトアップまで残るか考えた方がいいかもしれません。
また、夕刻以降は、アグリジェント市街地へと帰るバスの便もグッと少なくなります。ライトアップまで見たい方は、市街地でなく、歩いて帰れる「神殿の谷」エリアにホテルを取ることをおすすめします。
「神殿の谷」はどんな装備で歩くべき?
神殿の谷は、とにかく広大です。
舗装されていない道を歩くこともあるので、まずは歩きやすい靴が必須です。
また、アグリジェントはシチリア島でも南部に位置することもあり、冬場でも結構な日差しがあります。
日よけになる場所は少なく、また、カフェも一カ所しかないので、帽子、水、サングラスも必需品です。特にサングラスはあるとないでは、観光の疲労が全然違うので、装備することをおすすめします。
女性の方はUV対策もお忘れなく!
逆に天気が悪い場合は、傘ではなく、レインポンチョやレインコートがあると、身軽に歩けるので便利です。
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