【目次】
エステンセ城
フェラーラの最大のシンボルは、フェラーラを統治した、エステ家の人々が居住していたエステンセ城(Castello Estense)です。
イタリアでは珍しく、水をたたえたお堀に囲まれていて、堅固ながらもどこかエレガントな雰囲気がただよっています。
内部見学の見どころの一つが、キモだめしのように真っ暗な地下の監獄跡。監獄の中まで入れます。
上の階は、打って変わって、明るいフレスコ画が描かれた部屋が続き、エステ家の栄光の時代を今に伝えます。
エステンセ城については、もっと詳しくまとめたページを作りましたので、こちらの記事でどうぞ→フェラーラのエステンセ城を徹底解説!エステ家の光と影に触れる
スキファノイア宮殿
フェラーラでエステンセ城と並んでおすすめの観光スポットが、町の東端にあるスキファノイア宮殿(Palazzo Schifanoia)です。
スキファノイア宮殿はエステ家の別荘で、12ヶ月をテーマにした絵が壁に描かれた「12ヶ月の間」が有名です(1、2、10、11、12月の5ヶ月分は欠損)。
「12ヶ月の間」の壁画は、各月を統治するギリシャ神話の神々、黄道12星座、それぞれの月の人々の営みが描かれ、人物がいきいきと表現されている、ルネサンス絵画の傑作です。
スキファノイア宮殿は、あまりにも気に入ってしまって、気合いを入れた解説ページを作りましたので、よろしければ合わせてご覧くださいませ→スキファノイア宮殿の行き方と「12ヶ月の間」のフレスコ画を解説!
カテドラーレ
フェラーラのカテドラーレ(大聖堂)は、ロマネスクとゴシックが混合した様式で、フェラーラの守護聖人、サン・ジョルジョを祀っています。
三角の屋根が3つ並ぶ正面部分は、写真で見て非常に素敵なのですが、2012年の地震以来、工事が続いていて、2018年現在で、まだ見ることができません。
その代わりといっては何ですが、このカテドラーレの大きな特徴である、側面にアーケードが作られ、しかもお店が入っているという、独特の姿はしっかり見ることができます。
「聖」の世界と「俗」の世界が融合している姿は、人間中心主義といわれるルネサンス期の都市・フェラーラに、とても似合って見えました。
カテドラーレ美術館
カテドラーレ美術館(Museo della Cattedrale)は、名前の通り、カテドラーレにまつわる美術品を展示している美術館です。
もともとは、カテドラーレ内にあったらしいですが、現在はカテドラーレから歩いて1~2分の、小さな教会の建物で展示されています。
カテドラーレ美術館は、観光客の入場が少ないなあと感じましたが、個人的には非常におすすめしたい美術館です。
特に、フェラーラ派の画家コスメ・トゥーラの『受胎告知』と『サン・ジョルジョと竜』は、傑作です。
左と右に『受胎告知』が分かれ、真ん中に割って入る形で、サン・ジョルジョの竜退治が描かれているという不思議な構図です。
このような構図になっている理由は、もともとオルガンの扉として描かれたためです。
詳細は不明なのですが、スライド式の扉になっていて、閉じている時は『受胎告知』、開けたら『サン・ジョルジョと竜』が見えるということかな?と思いました。
他にも、ヤコポ・デル・クエルチャの『ザクロの聖母』は大変美しいですし、無名作家による『12ヶ月の彫刻』は楽しめる作品です。
『ザクロの聖母』は、コスメ・トゥーラの大きなオルガン扉作品の、ちょうど裏に隠れるように置いてありました。私は一度見逃して、もう一度この部屋に戻ってきて鑑賞しました。見逃し注意です!
カテドラーレ美術館はそれほど大きな美術館ではなく、30分~1時間あれば楽しめます。
カテドラーレ美術館にある、その他の展示物の写真は、こちらの旅行記ブログに載せています→3/15フェラーラ旅行記2 受胎告知は音楽の扉
ヴォルテ通り
フェラーラで、ここも絶対見逃せない!というのが、町の南側にある「ヴォルテ通り(Via delle Volte)」。
狭い通りに、アーチ状のトンネルがいくつも続く、中世にタイムスリップしたかのような気分が味わえる通りです。
アーチのかかった中世的な小道は、イタリアではよく見る風景ですが、ヴォルテ通りの特徴は、アーチがトンネルになっていて、しかもアーチの上には人が住む空間が作られていること!
窓や煙突が備えられていて、現在でも住居として使われています。
ヴォルテ通りは、明るい時間帯でも中世の風情タップリですが、夜、ライトアップされた姿は、感動を覚えるほど幻想的で美しいです。
昼と夜、2回訪れて、それぞれ違う雰囲気を楽しむことをおすすめします!
ディアマンティ宮殿
ディアマンティ宮殿(Palazzo dei Diamanti)は、「ダイヤモンド宮殿」という意味のお屋敷です。
ぼこぼこと四角錐が並ぶ建物の表面が、カッティングされたダイヤをはめこんだように見えるため、この名前で呼ばれています。
ディアマンティ宮は、ルネサンス期にフェラーラの都市計画を担った、ビアッジョ・ロセッティが自ら設計した建物です。
ロセッティさんの意図としては、十字路の角に建つディアマンティ宮は、表面を大理石の四角錐でぼこぼこにすることで、太陽光の当たり具合によって、キラキラと輝きを変え、まるでダイヤモンドのように見える…という狙いです。
しかし。残念ながら、フェラーラは天気が悪い日が多く、なかなか日光キラキラにならないんですよね!私が行った時も曇り空の下のダイヤモンドでした。
ディアマンティ宮内部は、国立絵画館になっています。鑑賞の目安は1時間程度。
こちらはコスメ・トゥーラ作『聖マウレリオの殉教』。
日本人にとって、なじみのある作品はあまり展示されていませんが、なかなか素敵な作品に出会えます。
国立絵画館のレポートは、旅行記ブログで詳しく書きましたので、よろしければあわせてご覧くださいませ→3/18フェラーラ旅行記8 ディアマンティ宮殿はぼこぼこカワイイ
コスタビーリ宮
コスタビーリ宮(Palazzo Costabili)は、15~16世紀に、エステ家のエルコレ1世の宮廷で活躍した、アントニオ・コスタビーリという人物によって建てられたお屋敷です。
1階に、フェラーラ派の画家ガローファロによって、天井画や壁画が描かれたお部屋があります。
驚くほどの保存状態の良さで、マントヴァのドゥカーレ宮殿『結婚の間』の、マンテーニャの天井だまし絵と似た感じの、上から人がのぞきこんでいるかのようなだまし絵が描かれています。
澄んだ水色の空や、どことなくおりこうさんな感じの清純な人々の表情が印象的で、期待よりもずっとよかったフレスコ画でした。
2階は考古学博物館になっていて、古代ギリシャ、エトルリア時代の壺などの展示があります。
中庭や、2階に続く階段の美しさなど、見るべきものが多いお屋敷です。
町の南端にあるため、ここまで足を運ぶ観光客は少ないですが、スキファノイア宮殿や、ヴォルテ通りからはそれほど遠くないので、時間がある方はぜひ立ち寄ってみましょう!
ロメイの家
ロメイの家は、エステンセ城から、スキファノイア宮殿方面へ歩く途中にある、15世紀の銀行家ジョヴァンニ・ロメイが建てたお屋敷です。
スキファノイア宮殿や、コスタビーリ宮ほどの壮麗さはありませんが、ルネサンス期の個人の銀行家が、これほどのお屋敷を建てられるくらい裕福だったことに驚かされます。
保存状態はあまりよくありませんが、フレスコ画が残る部屋や、お風呂の跡などが残っています。
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