【目次】
トラベル・イズ・トラブルという言葉があるように、「旅行にトラブルはつきもの」です。
海外旅行ともなると、トラブルが起きたときに、見知らぬ土地で不慣れな言語で対処しなければなりません。
その不安を軽くするために、海外旅行に行く際は、ほとんどの旅行者が海外旅行保険に加入してから出かけます。
しかし海外旅行保険は年々値上げの傾向にあり、「入らずに済むなら入りたくない…」と考える人も多いのではないでしょうか。
このページでは、イタリア旅行に出かける日本人は海外旅行保険に加入した方がよいのかを、これまでのイタリア旅行の経験から検証してみました。
イタリアの医療費は高額!治療系の保険はマスト!
イタリアの医療費は日本の医療費と比べると高額です。
イタリアで旅行者が医者にかかる場合は、待ち時間が長い公立病院ではなく(数時間どころか数日の待ち時間があることも)、待ち時間の少ない私立の病院で受診することがほとんどです。
イタリアの私立病院で診察を受けると、非常に高い治療費が請求されます。
イタリアでの治療も国民健康保険が適用されるなら問題ない?
実は日本の国民健康保険制度では、海外で治療・医療行為を受けた場合でも保険の適用が受けられ、3割負担の原則に従って7割の医療費は返ってきます。
そう聞くと、「イタリアでの治療の保険はいらないのでは?」と思ってしまいますが、この制度には落とし穴があります。
イタリアのように日本より医療費が高い国で治療を受けた場合は、「同じ治療を日本で受けた場合の医療費」が基準となるのです。
一例を挙げてみます。
- イタリアで医者にかかって50万円の医療費を支払った
- 同じ治療を日本で受けた場合は10万円の医療費になる
- 日本での医療費が基準となるため、申請して手元に返ってくるのは10万×0.7=7万円
- 実際に支払った金額50万に対し、7万円しか返ってこないため、43万円分は自己負担となる
この例ではイタリアでの医療費が日本の5倍と仮定しましたが、治療や医療機関によっては10倍以上の金額になり、自己負担金額が100万円を超えることもあり得ます。
イタリアで受けた医療費を、国民健康保険・社会保険でカバーしようと考えるのは現実的ではありません。
旅行中に医療機関を受診することはないとタカをくくるのは危険!
「そうは言っても、イタリア旅行中に病院の診察を受けることなどないだろうから大丈夫だろう」と、楽観的に考える人もいるかもしれません。
私には、この考えはちょっとリスキーに思えます。
イタリアは徒歩で回る見どころが多く、想像以上に歩き、疲労がたまります。
イタリア旅行では疲れや免疫力の低下から、普段だとかからないような病気になってしまうことも大いにありえます。
実際に私は日本ではあまり風邪を引くことがないのですが、今まで9回のイタリア旅行で3回も体調を崩しています(幸い、病院にかかるほど重症化したことはまだないですが)。
またイタリアは車の運転が荒いことで知られていて、こちらに何の落ち度がなくても、交通事故のアクシデントに見舞われるリスクもあります。
イタリア旅行に行くなら疾病治療・傷害治療保険には入るべき!
以上を考えると、イタリア旅行に行くなら疾病治療・傷害治療をカバーする旅行保険には入っておくべきです。
保険によって補償される上限額は異なりますが、個人的には少なくとも500万円は保険で確保したいかなと考えます。
ただでさえ節約旅行なのに、旅行保険代を払うのは嫌だなあ…という人は、海外旅行保険が付帯するクレジットカードを複数枚用意しましょう。
おすすめなのは、無料で作れるエポスカードです。私も旅行保険用に作っています→海外旅行保険の値上げで無料の「エポスカード」を作りました
「携行品損害」は、それほど重要視はしない!
イタリア旅行で、最も遭いやすいトラブルはスリです。
イタリアで病気にかかったり、大ケガをしたりして、病院で治療を受ける確率より、スリ被害に遭う確率の方がずっと高いです。
私も8回のイタリア旅行で、2度、スリに遭いかけています。
それなら疾病治療・傷害治療の保険よりも、旅行中になくしたり壊れたりしたものを補償してくれる、「携行品損害」の保険の方が重要かというとそうとは言えません。
保険とはそもそも、自力での支払いが難しい不慮のアクシデントによる高額の出費に備えるものです。
イタリアで、アクセサリー・ブランド品・IT機器・カメラなどがなくなったり壊れたりしたら非常に落ち込みますが、だからと言って即、高額出費につながるわけではありません。
ぶっちゃけ、もともと持っていたものは、自力でまた購入できる可能性が高いと思います。
その意味で、私はイタリア旅行中の携行品損害の保険はあまり重要視していません。
疾病治療・傷害治療の方が、起こる可能性は低いとはいえ万が一の場合の出費が高額になるので、そちらをベースに考えることをおすすめします。
携行品損害は現金は対象外
もうひとつ付け加えておくと、携行品損害の保険は、多くの場合現金は対象外です。
大金の入った財布をすられた場合、中に入っていた現金は補償されません。
スリ対策には高額な保険をかけるより、スリに遭わない対策をしっかり立てておくことに重点を置くことをおすすめします。
それに対して旅券(パスポート)は対象になるので、パスポートをなくした場合、再発行の手続きに使った費用は補償されます。
「賠償責任」は手厚くしておいた方がよい!
「万が一の高額出費に備える」という考え方をベースにすると、イタリア旅行で補償を手厚くしておいた方がよい医療費系以外の保険は「賠償責任」です。
「賠償責任」とは、美術館の展示物・ホテルの備品・レンタル用品などを誤って破損してしまった場合に支払われる保険です。
私はホテルの湯沸かしポットを壊してしまい、この保険で補償した経験がありますが、この程度なら保険に入っていなくても数千円の賠償で済みます。
イタリア旅行で怖いのは、何と言っても、美術館の展示品を破損してしまう事故。
そうそう起こる事故ではありませんが、文字通りの「万が一」に備えておきたいです。
また、イタリアのホテルで水道を閉め忘れて部屋を水浸しにして、数千万円の賠償を求められたという話も見たことがあります。
イタリアには古くて由緒ある建物を改装したホテルもあり、そういったホテルの調度品をダメにしてしまうと、かなり高い金額の賠償を求められる可能性があります。
「賠償責任」の保証金は、1億円くらいの補償はあった方が安心です。
「手荷物遅延」「航空機遅延」の保険は必要?
無料クレジットカードに、付帯している海外旅行保険に、ほとんどついていないのが「手荷物遅延」と「航空機遅延」の保険です。
- 「手荷物遅延」は、飛行機に預けたスーツケース等の荷物の到着が遅れたり行方不明になってしまった場合に、購入した身の回り品や衣類の金額が補償される保険です。
- 「航空機遅延」は、飛行機が遅延したために発生した、ホテル代・食事代・予約のキャンセル料が補償されます。
このような保険に入っていれば気が楽ではありますが、保険に入っていなくても、支払う金額は自腹で何とかなるレベルです。
「必須な」保険というよりは、「あれば嬉しい」保険です。
イタリア旅行で絶対必要な保険は治療系と賠償責任!
結論としては、イタリア旅行に絶対に必要な保険は、高額なイタリアの医療費をカバーする疾病治療・傷害治療の保険と、賠償責任の保険です。
疾病治療・傷害治療は500万円以上、賠償責任は1億円以上の補償があると安心です。
補償の金額は理想ですが、少なくとも何も旅行保険に入らない状態でイタリア旅行に出かけるのはリスキーです。
保険に入るお金を節約したいという場合は、手厚い海外旅行保険がつくエポスカード・リクルートカードなどの無料クレジットカードだけでも作っておきましょう
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