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イタリアでパスポートをなくしちゃった!!!

…という状況で、このページにたどり着いたあなた。

大丈夫!「イタリアでパスポートをなくした時にやること」は流れが決まっています。

このページで、手順をわかりやすく解説しています。おちついて対処していきましょう。

イタリアでパスポートをなくした時の7ステップ

イタリアでパスポートをなくした時にやることは、ザックリと次の通りです。

  • パスポートが本当に手元にないか確認
  • ローマの大使館かミラノの領事館に連絡
  • 必要なら旅程を変更
  • 警察に行って盗難届を出す
  • 手続きに必要なものをそろえる
  • ローマの大使館かミラノの領事館へ行く
  • 「緊急旅券」または「帰国のための渡航書」を受け取る

「緊急旅券」か「帰国のための渡航書」がないと、旅行を続けることも帰国便に乗ることもできません。必ず手続きしましょう!

それぞれの手順を、くわしく解説していきます。

STEP1 おちついてパスポートを探す

まずはおちつこう!

イタリアでパスポートをなくしたことに気づいたあなたは、きっと動揺していますよね。

まずはゆっくり深呼吸して、おちつきましょう

イタリアでパスポートをなくした日本人は、あなたが初めてではありません。何とかなるから大丈夫!

やるべきことを一つずつこなしていけば、必ずゴールにたどりつきます。

パスポートが本当にないか確認

気持ちがおちついたら、本当にパスポートが手元にないか確認します。

大使館や領事館で「パスポート紛失届」を提出した後は、なくしたと思ったパスポートが見つかっても使えません

「100%盗まれた・なくした」と断言できない場合は、念入りに探してから手続きに入りましょう。

STEP2 ローマの大使館かミラノの領事館へ連絡

探してもパスポートがない場合は、ローマの「在イタリア日本国大使館」かミラノの「在ミラノ日本国総領事館」へ連絡します。

パスポートをなくしたことや自分が置かれている状況を伝え、どのように動けばよいか指示を受けましょう。

開館時間内であれば電話で、閉館している時間帯はメールで連絡してください。

大使館や領事館に事情を話せば少しホッとするはず!

ローマ大使館とミラノ領事館は、それぞれに管轄地域があります。

ミラノ領事館の管轄

  • ロンバルディア州
  • ピエモンテ州
  • リグリア州
  • ヴァッレ・ダオスタ州
  • トレンティーノ=アルト・アディジェ州
  • フリウリ=ベネチア・ジェリア州
  • ベネト州
  • エミリア=ロマーニャ州

ローマ大使館の管轄

  • トスカーナ州
  • ウンブリア州
  • マルケ州
  • ラツィオ州
  • アブルッツォ州
  • モリーゼ州
  • カンパーニャ州
  • プーリア州
  • バジリカータ州
  • カラブリア州
  • シチリア州
  • サルデーニャ州

「どちらを選べばよいかパッとわからない…」という場合は、行きやすい方に連絡すれば大丈夫ですよ。

さまざまな体験談を読むと、イタリア国内であれば、大使館も領事館も管轄エリア外でのパスポート紛失に対応するようです。

難しく考えずに、どちらかに連絡を!

バチカンとサン・マリノの場合は?

  • バチカン市国には大使館があるがパスポート紛失の手続きはできないため、ローマの大使館が対応
  • サン・マリノ共和国には大使館がないため、ローマの大使館が対応

STEP3 警察へ行き盗難・紛失届を取得する

次は、警察署で盗難・紛失届書を発行してもらいます

警察署発行の盗難・紛失届(ポリスレポート)は、たいへんに活躍してくれる書類です。早めにゲットしましょう!

「盗難・紛失届書」はこんなに大事!

  • 届書があればパスポートなしでホテルに宿泊できる
  • 交渉しだいで飛行機や船に乗れることがある
  • 大使館・領事館での手続きに必要になる
  • 海外旅行保険申請で必要になる

イタリアの警察署では英語が通じにくく、盗難・紛失届の入手は骨が折れる作業になるかもしれません。

ミッションの山場だと思ってがんばりましょう!

お役立ち付録

英語が通じない場合はこのイタリア語テンプレを使ってみて!

Sono giapponese.(私は日本人です)
Non parlo italiano.(イタリア語がわかりません)
Mi hanno rubato il mio passaporto.(パスポートを盗まれました)※
Vorrei denunciare.(被害届を出したいです)

※盗難ではなく紛失の場合は“Ho perso il mio passaporto”

どうしても自力で警察署での手続きができない場合は、大使館・領事館に相談してアドバイスをもらいましょう。

STEP4 旅程を変更する(必要な場合)

パスポートをなくした場所がローマ・ミラノ以外であったり、タイミングが大使館や領事館の休館日に重なったりすると、旅程の変更が必要になる場合があります

ホテルの延泊手続きやキャンセル・新しい予約、航空券の変更などを行いましょう。

パスポートなしでのホテル宿泊について

イタリアでのホテル宿泊には原則としてパスポートが必要ですが、警察署発行の盗難・紛失届があれば宿泊できるホテルがほとんどです。不安な場合は大使館・領事館にホテルを紹介してもらいましょう。

航空券の変更について

格安航空券はフライト変更ができない場合が多いですが、状況を説明すると融通してもらえることがあります。まずは航空会社に連絡してみましょう。

STEP5 手続きに必要なものをそろえる

大使館・領事館での手続きに必要なものをそろえます。

「緊急旅券」「帰国のための渡航書」どちらを入手する場合でも、必要な書類は同じです。発行手数料の金額だけが違いますね。

手続きに必要なもの

  • 警察署発行の盗難・紛失届書
  • 写真2枚
  • 戸籍謄本または戸籍電子証明提供用識別符号
  • 航空券(eチケットでもOK)
  • 現金

※他に必要な2つの書類「紛失一般旅券等届出書」「渡航書または緊急旅券発給申請書」は、大使館・領事館に置いてある用紙に記入して完成させるため、事前準備は不要です。

警察署発行の盗難・紛失届書

「警察署発行の盗難・紛失届」は、STEP3で入手済みの書類ですね。

写真2枚

手続きに必要な写真は規格が決められています。

  • 6ヶ月以内に撮影したもの
  • 縦45mm×横35mm
  • 顔(頭頂部から顎まで)の長さが34mm±2mm

「イタリアで規格通りの写真を撮ってもらうのは難しい…」という場合は、写真撮影できる場所を大使館・領事館に教えてもらいましょう。

戸籍謄本または戸籍電子証明提供用識別符号

今までパスポート紛失の手続きにおいては、「戸籍謄本の入手」がミッション最大の山場でした。

しかし、2025年3月から状況が大きく変わりました。マイナンバーカードが手元にあれば、この手続きがグッと楽になります

マイナンバーカード「あり」の場合と「なし」の場合に分けて、手続き方法を解説します。

マインナンバーカードあり→戸籍電子証明提供用識別符号を入手

マイナンバーカードが手元にある場合は、戸籍謄本の原本を日本から送る必要はありません。

オンラインで「戸籍電子証明用識別符号」(※以下「符号」と略します)を申請し、入手した「符号」を大使館・領事館に提出するだけでOKです!

外務省の公式サイトにも記載があります

オンライン申請で戸籍電子証明書提供用識別符号を提出した場合は、戸籍謄本原本の提出を省略することができます

外務省公式サイトより:日本国内及び国外でパスポートに関する申請手続きに通常必要な書類

「符号」はマイナポータルから申請します。スマホだとマイナポータルアプリの利用が便利ですね。

手順については公式にわかりやすいマニュアルがあるので、確認しながら操作すれば大丈夫!→戸籍電子証明書提供用識別符号の取得申請(マイナポータル公式)

旅行前にパスワード類の確認を!

「パスワード」「署名用電子証明書暗証番号」がわからない場合は、マイナンバーカードをイタリアに持ってきていても手続きできません。出発前にパスワード類の確認を忘れずに!

マイナンバーカードなし→戸籍謄本の原本が必要

手元にマイナンバーカードがない場合は、戸籍謄本の原本を日本から送る必要があります

とはいえ、日本からのイタリアへの送付には4~5日ほどかかります。旅行者が待てる日数ではないですよね。

そのため、「戸籍謄本の原本を大使館・領事館へ送りました」という証拠を提出すると、原本が到着する前に手続きを終わらせてもらえるのが通例です。

手順は以下の通り。

マイナカードがない場合の手順

  • 日本にいる家族や知人に頼んで、本籍地の役所へ「戸籍謄本」を取りに行ってもらう※1
  • 「戸籍謄本」の画像を大使館・領事館にメールで送る(FAXでもOK)
  • 「戸籍謄本」原本を追跡番号付の国際郵便で大使館・領事館宛に送ってもらう※2
  • 発送伝票控えの画像を大使館・領事館にメールで送る
  • 後日、「戸籍謄本」の原本が大使館・領事館に到着

※1 知人への依頼は自筆の委任状が必要になる。家族は委任状なしでOKの自治体が多い

※2 送付に使用する国際郵便は大使館・領事館に指定してもらうのが無難

…けっこう大変ですよね!

本籍地に頼れる人物がいないケースもあるでしょう。その場合は大使館・領事館に相談ですね。

戸籍謄本がなくても他の身分証明書があれば、「帰国のための渡航書」を発行してもらえることがあります。

航空券

手続きには帰国するフライトの航空券が必要です。

現在は紙の航空券ではなくeチケットが主流で、スマホ等でeチケットを表示できればOK!

現金

手続きで書類以外に必要なのが現金です。

「緊急旅券」「帰国のための渡航書」どちらを発行するかで、手数料が違います。

緊急旅券€42
帰国のための渡航書€17

大使館・領事館での手続きで可能な支払い方法は現金のみです。

パスポートと一緒に財布類もすべて盗まれて、現金調達が困難…という場合は、大使館・領事館に相談ですね。

基本的に大使館・領事館でお金を借りることはできませんが、案を出してもらえるはず!

「パスポートを紛失したせいで帰国できなかった」という話は聞いたことがありません。絶望的な状況でも何とかなる!落ち着いて対処していきましょう

手続きに必要なものを再度チェック!

  • 警察署発行の盗難・紛失届書
  • 写真2枚
  • 戸籍謄本または戸籍電子証明提供用識別符号
  • 航空券(eチケットでもOK)
  • 現金

STEP6 ローマの大使館かミラノの領事館へ行く

必要書類がそろったら、いよいよ手続きです。

ローマの「在イタリア日本国大使館」か、ミラノの「在ミラノ日本国総領事館」へ足を運びましょう。

ローマ「在イタリア日本国大使館」へのアクセス

  • テルミニ駅から徒歩15~20分
  • タクシー利用の場合は正規タクシー乗り場から乗車すること

「在ミラノ日本国総領事館」へのアクセス

  • ミラノ中央駅から徒歩10分
  • 地下鉄M3 (黄色線) Turati 駅から徒歩2分

STEP7 「緊急旅券」か「帰国のための渡航書」を取得

さあ、最後のステップです!

大使館/領事館で、緊急旅券帰国のための渡航書を申請して受け取ります

「緊急旅券」と「帰国のための渡航書」の違いは以下の通り。

緊急旅券帰国のための渡航書
有効期限1年原則1回しか使えない
帰国したら失効
他国への入国△(不可の国もあり)×
発行に要する日数1~2日1~2日
発行手数料€42€17
  • 旅行がまだまだ続く→緊急旅券
  • あとは日本に帰るだけ→帰国のための渡航書

ザックリとこんな感じですが、自己判断は危険。今後の予定を大使館/領事館スタッフにくわしく伝えて、どちらを取得すべきかアドバイスをもらいましょう。

帰国便で他国の空港を経由する場合は要注意。トラブルにならないように慎重に決めてね!

「緊急旅券」か「帰国のための渡航書」を受け取ったらゴールです!お疲れ様でした~!

帰国後にやること

帰国してからもパスポート紛失に関する手続きが必要な場合があります。

帰国後にやること

  • 海外旅行保険の申請
  • 新しいパスポートの発行

海外旅行保険の申請

海外旅行保険に入っている人は、パスポート盗難・紛失が補償の対象であれば保険金の申請をしましょう。

パスポート盗難の手続きにかかった費用(発行手数料・交通費・宿泊費など)が、全額もしくは一部返ってきます。

海外旅行保険は、手持ちのクレジットカードに付帯している場合もあるのでチェックを!

「紛失」は対象外が多い!

海外旅行保険で「盗難」は対象になりますが、自分のミスによる「紛失」は対象外がほとんどです。

なくしものが多い人には、パスポート紛失も補償の対象になる海外旅行保険「たびほ」がおすすめ!→たびほの公式サイトでチェック

新しいパスポートの発行(必要な場合)

「緊急旅券」は1年後、「帰国の渡航書」は日本に帰って来た時点で失効します。

新しいパスポートが必要な人は、帰国後に作り直しましょう。

パスポート紛失にそなえて準備できること

ここまで記事を読んで、「イタリアでパスポートをなくしたら面倒だな…」と思ったことでしょう。

事前にいくつか準備しておけば、この面倒なミッションを少し楽にできます。

  • 戸籍謄本を日本から取り寄せなくて済む準備をする
  • パスポートのコピーを取っておく
  • パスポートと別の場所に現金を持っておく

ぞれぞれ解説します!

戸籍謄本を取り寄せなくて済む準備

パスポートをなくした時の手続きで、最も大変なのは戸籍謄本を日本から取り寄せる作業です。

この大変な作業は、以下のいずれかの方法でスキップできます!

どれか一つをやっておけばOK!

  • マイナンバーカードを持って行く
  • 戸籍電子証明提供用識別符号を取得しておく
  • 戸籍謄本を取得して持って行く

マイナンバーカードを持って行く

おすすめの方法は、マイナンバーカードを持って行くことです。

マイナンバーカードは、パスポートをなくした後に、代わりの身分証明書として使える可能性がありますよ。

戸籍電子証明提供用識別符号を取得しておく

マイナンバーカードを持って行きたくない場合は、旅行前に戸籍電子証明提供用識別符号を取得しておいて、その番号を控えておく方法があります。

戸籍電子証明提供用識別符号は3ヶ月有効のため、期限内に帰ってくる旅行であれば使えますね。

戸籍謄本そのものを持って行く

マイナンバーカードを持っていない人は、戸籍謄本そのものを旅行前に取得して持って行くとよいでしょう。

マイナンバーカードがなくても、役所の窓口か郵送依頼で戸籍謄本を取得できます。自治体にもよりますが、手数料は500円くらいです。

パスポート番号が記載されているページをコピーしておく

パスポートの番号と顔写真が載っているページはコピーをとっておきましょう

あらゆる手続きにおいて、コピーがあると物事がスムーズに進みます。

パスポートと違う場所に現金を持っておく

「緊急旅券」「帰国のための渡航書」どちらの発行にも現金が必要です。

パスポートと一緒に財布も取られて一文無しになってしまうと、現金調達という作業が増えてしまいます。

その手間を省くために、€100程度の現金をパスポートとは違う場所に持っておきましょう

パスポートの盗難・紛失を防ぐ対策

最後にパスポートの盗難・紛失を防ぐ対策を紹介します。

パスポートはインナーセキュリティで持ち歩く

イタリアでは、パスポートはインナーセキュリティに入れて服の下で持ち歩くことをおすすめします。

服の下にあるパスポートは盗られる心配はないですし、収納場所を決めておけば紛失も防げますね。

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スリ・盗難対策を徹底する

パスポートを守るためにスリ・盗難対策を徹底しましょう

イタリアでパスポートをスリに奪われたという日本人の体験談をよく目にします。

イタリアのスリには「インナーセキュリティの利用」「普段使い用の財布を用意する」などの対策が有効です。

スリ対策をまとめたページがありますので、あわせてお読みください→イタリア旅行のスリ対策!実体験から特徴と予防法を考える

まとめ

イタリアでパスポート盗難・紛失に遭ったときの行動マニュアルと、事前対策をまとめました。

海外でパスポートをなくすと動揺しますが、落ち着いてひとつずつミッションをこなしましょう。必ず何とかなります!

転ばぬ先の杖。「戸籍謄本を取り寄せなくて済むように準備をする」「パスポートのコピーを取る」「スリ対策を徹底する」など、できることをやってからイタリアに出かけましょう!

この記事を書いた人
辺獄
辺獄イタリア旅行マニア
イタリア旅行マニアで今まで9回イタリアに足を運んでいます。何度でもイタリアに行く自分のために、イタリア旅行のマニュアルを作成したのがこのサイトです。