【目次】
イタリア最東端の、海辺の町・オートラント。
「イタリアの最も美しい村(I Borghi piu belli d’Italia)」にも登録されている、オートラントの見どころ観光地をご紹介します。
オートラント大聖堂
オートラントの大聖堂(Cattedrale)は、11世紀に建てられた、ロマネスク様式の古い教会です。
素朴な正面部分も風情がありますが、何といっても圧巻なのは、内部の、床全面にびっしりと描かれたモザイク画(石をはめこんで作られた絵)。
この床モザイクは、12世紀に作られたものです。
オートラント大聖堂のモザイクの特徴は?
イタリアでモザイクで有名な町は、ラヴェンナや、シチリア島のパレルモですが、ここオートラント大聖堂のモザイクは、この2つの町で見られるモザイク画とずいぶん趣が違います。
ぶっちゃけ、オートラント大聖堂のモザイクは、あんまり上手ではないのです!
ラヴェンナやパレルモのモザイクは、「これ、本当に石をはめこんで作ってるの?」と驚嘆するほど、精巧なのですが、オートラント大聖堂のモザイクは、「え?これ、私でも作れるかも!」という出来です。
しかし、実は、オートラント大聖堂のモザイクは、そう簡単に作れるものではありません。
モザイクは、大聖堂の床一面いっぱいに描かれています。石をはめこむモザイク作りは、非常に根気が必要な作業です。
しかも、このオートラントのモザイクは、ビザンティン出身の僧とも言われる、パンタレオーネという人物が、たった一人で作ったものだというのが驚きです。
とにかく、作った人のあふれんばかりの情熱は伝わってくる、この床モザイク。
情熱が感動を呼ぶのか、下手なのに可愛らしくて、妙に引き込まれる魅力があるのが、オートラントの床モザイクなのです。
オートラント大聖堂のモザイクの難点は「見えにくい」
ひとつひとつのモチーフを、じっくり見ても見飽きないオートラントの床モザイクなのですが、問題点があります。
何と、オートラント大聖堂の、床一面に描かれたモザイクの上には、礼拝用の長椅子が、ずらっと直接並べられているのです(2017年訪問時の情報)。
大聖堂は、美術鑑賞の場ではなく信仰の場ですから、仕方ないのかもしれませんが、モザイクの保存は大丈夫かな?と心配になってしまいます。
この礼拝用の椅子があるため、かなり見えづらいモザイクの箇所もあります。
モザイク鑑賞のためには、大聖堂の床モザイク全体の写真つきで、どこに何が描かれているかを解説しているイタリア古寺巡礼(南イタリア編)をお供にしないと、よくわからないかもしれません。
オートラント大聖堂のオープン時間に注意!
オートラントには、レッチェから日帰りで行くという旅行者が多いと思いますが、注意したいのは、大聖堂が開いている時間です。
南イタリアの教会は、お昼休みを長くとる教会が多いですが、オートラント大聖堂も、12時~15時がお昼休みです。
私はレッチェからお昼頃に到着して、大聖堂のモザイクをゆっくり見学するつもりだったのですが、15時までお休みで入れず、レッチェに帰る電車の時間に合わせて、短時間の鑑賞になってしまいました。
オートラント大聖堂のオープン時間は、イタリア語ですが、オートラントの公式サイトで確認できます。日帰りの場合は、特に気を付けてください。
オートラント大聖堂
イタリア語:La Cattedrale di otranto
参考サイト:オートラント公式観光サイト
アラゴン城
オートラントは、旧市街全体が城塞のような形をしていますが、旧市街の中に、さらにアラゴン城という城塞があります。
オートラントを、スペインのアラゴン家が支配していた時代に作られたものなので、「アラゴン城」と呼ばれています。
お濠にぐるっと囲まれた、堅牢なお城です。
防衛のためのお城で、ロマンチックな部屋はありませんが、海に面して広がるオートラントの町のパノラマが見えるテラスがあります。
こちらがアラゴン城のテラスからの眺めです。
アラゴン城
イタリア語:Castello Aragonese
参考サイト:オートラント公式観光サイト
サン・ピエトロ教会
オートラントはイタリア最東端に位置し、東方のビザンティン帝国からの影響が見られる町です。
ビザンティンの香りを一番感じられるのが、旧市街に残る、ビザンティン様式のサン・ピエトロ教会。
イタリアではビザンティン様式の教会は珍しく、外国人の私が言うのも何ですが、エキゾチックな雰囲気がある教会です。
地球の歩き方によると、サン・ピエトロ教会内には、ビザンティン時代のフレスコ画もあるそうですが、残念ながらサン・ピエトロ教会は、7~9月の短い期間しか中に入れません。
ただし、冬季でも、事前に予約することで入場できることもあるようです。興味がある場合は、オートラントの観光インフォメーションで、尋ねてみましょう。
サン・ピエトロ教会(聖堂)
イタリア語:Basilica di San Pietro
参考サイト:オートラント公式観光サイト
オートラントの海について
オートラントの海は、イタリアで最も透明度が高いとも言われ、その美しさに定評があります。
私が足を運んだ日は、風が強くて波が高かったため、最高のコンディションで見ることはできませんでしたが、同行した姉は、「海の色はパステルがかっていて、普段は美しいんだろうなってことがわかる」と言っておりました。
オートラントの海も楽しむなら、天気の良い日を選んで、オートラントへ行くことをおすすめします。
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