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当サイトはパエストゥム推しですっ!
パエストゥム遺跡は、保存状態の良い古代ギリシャ神殿が3つも立ち並んでいます。
古代ギリシャ遺跡は、ギリシャや南イタリア、トルコなどで見ることができますが、これほどしっかりした形で残っている神殿が、3つも集まっているのは珍しいです。
世界遺産にも登録されている割には、日本では知名度が低いパエストゥムですが、青空に古代ギリシャ神殿が映えている景色は、ローマのコロッセオを見たときと同じくらいの感動がありました!
パエストゥム遺跡の見どころ
ケレス神殿
「ケレス神殿」は、博物館近くの入り口を入ると、すぐ右手の方に見えてくる優美な神殿です。
日本のガイドブックには「ケレス神殿」と紹介されていることが多いですが、パエストゥム遺跡の公式見解としては、この神殿はケレス(ギリシャ神話では大地と豊穣の女神デメテル)ではなく、戦いの女神アテナに捧げられた神殿とされています。
古代に、植民してきたギリシャ人によって、紀元前5世紀くらいに建てられた神殿です。柱の上部、コーニスまで残っていて、青空に非常に映える神殿です。
ネプチューン神殿(ポセイドン神殿)
「ネプチューン神殿」は、パエストゥム遺跡内で、最も大きく、保存状態も一番よい神殿です。
紀元前5世紀の半ばごろの建設で、有名なギリシャのオリンピアのゼウス神殿と、ほぼ同時代のものだそうですが、こちらパエストゥムの神殿の方が、よく保存されています。
「パエストゥム」の古い町名である「ポセイドニア」が、ギリシャ神話の海神「ポセイドン」に由来していることもあり、この神殿は長らくポセイドンに捧げられたものと考えられてきました(「ネプチューン」は「ポセイドン」の英語読み)。
しかし、この神殿がポセイドンに捧げられたという証拠はないそうです。この神殿に祀られている神様の候補としては、他に、大神ゼウス、その妻の家事の女神ヘラ、太陽神アポロンなどが挙げられています。
いずれにせよ、堂々と立ち並ぶドーリア式の柱が支えるこの神殿は、非常に非常にカッコイイ!の一言です。
バジリカ
「バジリカ」は、ネプチューン神殿の横にある、やや小振りの神殿です。
パエストゥム遺跡に残る3つの神殿で一番古く、BC560年に建設が始まったものだそうです。
「バジリカ」とは、やや大きめのキリスト教の教会を指す言葉で、この神殿が何であるのかよくわからなかった時代に、「バジリカ」と呼ばれていたのが、そのままネーミングとして定着してしまったのだとか。
現在ではこのバジリカは、ヘラ、もしくはアポロンに捧げられたのではないかと考えられています。
私がパエストゥムに行った2013年は、3つの神殿全て中には入れず、外から見学しただけでしたが、公式サイトによると、このバジリカには、現在、内部まで入れるようになったそうです!
いいなあ…!私も内部入場するために、もう一度パエストゥムに行きたいっ!
パエストゥム国立考古学博物館の見どころ
パエストゥム国立考古学博物館は、パエストゥム遺跡の入り口近くにある博物館です。パエストゥム遺跡周辺から発掘された、出土品の展示をしています。
この博物館の見どころは、何と言っても、「飛び込み男の墓」と呼ばれる絵画です。
紀元前480年頃に、石棺に描かれたフレスコ画で、パエストゥム遺跡から2㎞南の、紀元前5~6世紀頃の墓地で発見されました。
この「飛び込み男の墓」の絵は、平面に描かれた、大きめの絵画としては、世界で唯一残っている古代ギリシャ絵画と言われています。
古代ギリシャ時代の絵画作品で、現在でも残っているものの多くは、陶器に描かれた壺絵であり、大きくて本格的な絵画は、ほとんど残っていません。
「飛び込み男の墓」は、古代ギリシャの絵画を今日に伝える、非常に貴重なものです。
海(もしくは死後の世界)に飛び込んでいる男性の絵だけが有名ですが、他にもいくつか、葬送儀礼や宴会を描いたと思われる絵が残っています。
博物館には入らなくてもいいかな?と思っている方も、この絵だけでもぜひ、鑑賞することをおすすめします。
こちらの博物館は、第一・第三月曜は、早め(PM1:40)にクローズするようなので注意してください。詳しくは、公式サイトのタイムテーブルでご確認ください。
パエストゥム遺跡と博物館は共通券入場です
パエストゥム遺跡と国立考古学博物館は、セット入場となり、共通券€9です。
バラ売り販売は原則はありませんが、どちらかがクローズしているときのみは、単独券が購入できるようです(遺跡が€7、博物館は€4)。
他にも、Veliaの遺跡との共通券や、年間券などの販売もあります。
詳しくは公式サイトでご確認ください。
パエストゥム遺跡には飲み物を持って入ろう!
パエストゥム遺跡の中には、少なくとも私が行った2013年には、飲み物などを販売しているお店はありませんでした。
遺跡内を元気に歩き回るためにも、ペットボトルなど、飲み物を必ず持って入りましょう。
遺跡内は日よけになるものもほとんどないので、帽子やサングラスもあるとよいです。
トイレは、入り口近く以外には見つけられませんでした。念のために入場の際に、済ませておいた方がよさそうです。