観光都市マテーラの治安は実際の所どうなの?
マテーラの洞窟住居「サッシ」は、南イタリアの貧しさの象徴とも言われるため、マテーラ観光の治安を心配する方もいるかもしれません。
ですが、洞窟住居のサッシ街に住んでいた人々は、20世紀半ばに衛生上の問題から、一度全員退去させられ、マテーラの郊外へと移住しました。
そのような経緯があるため現在のマテーラは、20世紀初頭に、北イタリアのトリノ出身の作家カルロ・レーヴィが「キリストはエボリで止まった」で書いた、貧困の歴史とはつながっていないところがあります。
こうして住民がいなくなり、一度廃墟となったマテーラですが、1993年に世界遺産登録されたことで、マテーラの町は整備されました。
サッシ住居もホテルやレストランに改装されました。
現在のマテーラに住む人の多くは、観光業に従事する人たちで、アトリエを開いている芸術家もいます。
サッシ街には観光化された町特有の安心さがあり、南イタリアではむしろマテーラは治安が良い方と言えます。
ただし、「治安は良い」と言っても、町の端の方には、現在でも廃墟のままで放置されている洞窟が残っていたりします。
このようなエリアも危ないことが起きているわけではありませんが、やはり放置されている暗い洞窟には、心理的に不安を感じます。
本能的な不安には従った方がよいと思われるので、特に日が暮れてからは、人気のない地区(サッシ・カヴェオーソ地区の端や、入り組んだ路地など)を歩き回るのは避けた方がよいです。
放置されているサッシにも、私は奥までは立ち入らないようにしました。
夜景を見るために夜にマテーラを歩いてもよい?
サッシ住居が折り重なるように建てられたマテーラの旧市街は、夜景が美しいことが有名です。
「マテーラの夜歩きは大丈夫?」と思われるかもしれませんが、前述したように、マテーラは南イタリアでは治安がよい方です。
人の気配があり、街灯が明るいメインストリートを歩くなら、マテーラの夜歩きを過度に控える必要はありません。
ただし、マテーラは、かなり複雑な小さな路地が入り組んでいる箇所もあります。
そのような狭い路地は、特に治安が悪いということはないですが、街灯の灯りが届かず、足元が見えないという危険があります。
また、暗さのために道がわかりづらく、迷子になる可能性もあります。
いくら治安は悪くないとは言っても、真っ暗で狭い路地で迷子になるのは、大いに不安になりますね。
マテーラで夜景を楽しむこと自体には問題がありませんが、明るいうちにどのようなルートを歩くのかを決めておいて、狭い路地には入らないことをおすすめします。
マテーラで気をつけるべきはむしろ観光の勧誘?
マテーラ滞在中に、治安の不安を感じたことは一度もありませんでしたが、実は一度、片言の日本語を話す人に絡まれました。
私はオフシーズンにマテーラへ行ったため、開いていなくて中に入れなかった教会がいくつかあったのですが、自分は観光インフォメーションのスタッフで(そういう名札と鍵を見せられた)、「せっかく日本から来たなら見せてあげるよ!」と言うのです。
恥ずかしながらこの話を信じてしまい、つい同行してしまいました。
なかなかお目当ての教会に行く気配がなかったため、おかしいと感じ、途中で強引に別れましたが、いまだに何が目的だったのかよくわかりません。
観光地マテーラでは、(動機はわかりませんでしたが)日本人観光客をターゲットにしている人もいるようです。
一応私の経験でこういうことがあったと、マテーラに行く方は、頭の片隅に入れておいて頂ければと思います。
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