【目次】
レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』は完全予約制!
「世界で最も有名な絵選手権」みたいなものがあったら、優勝候補の一つに挙げられるであろう絵が、ミラノにはあります。
それは、レオナルド・ダ・ヴィンチ作の『最後の晩餐』です。
ルネサンス期の万能の天才と言われるレオナルド・ダ・ヴィンチは、画家としては筆が遅いことで知られています。
現在、着色されて完成品として残されている絵画は、世界中に十数点しか残っていません。
しかもその中には、レオナルド・ダ・ヴィンチの真作かどうか議論されている作品もあります。
そんな中、誰もがレオナルド・ダ・ヴィンチの真作でしかも代表作だと認めるのが、ルーブル美術館にある『モナ・リザ』と、この『最後の晩餐』です。
『モナ・リザ』は、何と1970年代に来日し、東京の上野で展覧会が開かれたことがあるそうです。
しかし『最後の晩餐』が日本に来るのは、事実上不可能です。
というのも、『最後の晩餐』は食堂の壁に描かれた壁画なので、持ち出すことができないのです。
そのため、『最後の晩餐』を鑑賞するには何が何でもミラノまで行かなければなりません。
世界の至宝ともいえるこの作品は、保存状態が悪かったことで有名で、何度も修復を施されていますが、現在でも作品保護のために、厳重な管理下に置かれています。
見学は完全予約制で、鑑賞できる人数も時間も制限があるため、ややハードルの高い観光地だと言えます。
『最後の晩餐』を予約する方法は?
『最後の晩餐』は、2006年の映画「ダ・ヴィンチ・コード」のヒット以来、非常に予約を取りづらい状況が続いています。
最近では少しは取りやすくなってきたらしいですが、それでも早めの予約が無難です。
一度に入場できる人数が30人と限られていることもあり、パックツアーに『最後の晩餐』の鑑賞が含まれていることはほとんどありません。
そのため、イタリアにパックツアーで行こうが、個人旅行で行こうが、『最後の晩餐』を見るためには何らかの方法で予約を取る必要があります。
予約の方法は、大きく分けて「オンライン予約」「電話予約」「予約代行」の3つになります。
『最後の晩餐』をオンライン予約する
自力での予約で、最も簡単なのは、公式サイトからオンライン予約する方法です。
予約できるのは、予約したい日のおおよそ2ヶ月くらい前からです。
例:2023年5~6月分の予約は3月14日から開始
しかしオンライン予約は、あっという間に予約が埋まってしまいます。
オンラインで予約をしたい場合は、予約開始日がいつになるのかを公式サイトでこまめに確認して、予約開始後にすぐ予約を取る必要があります。
ですがここがイタリア的といいますか、ネットで予約が埋まっていたからといって、30人枠がすべて埋まっているとは限らないので、ここで諦めないようにしましょう。
また、オンラインで取れる予約は5人までです。それ以上の予約を取りたい場合は電話かメール予約になります。
「最後の晩餐」オンライン公式予約はこちらから
『最後の晩餐』を電話予約する
鑑賞したい日時のネット予約が埋まっていた場合は、電話予約に切り替えましょう。
コールセンターに電話をかけ、英語かイタリア語で予約を取ることができます。
「えっ?英語かイタリア語なんて無理!」と思うかもしれませんが、コールセンターの人は、英語がネイティブでない人からの予約電話に慣れているので、尻込みする必要はありません。
私は「英語力に全く自信がない」ということに自信がありますが、そんな私でも、何とか電話で予約をゲットできましたよ!
補足
2017年に電話予約を取った方から情報を頂きました。オペレーターが日本語で電話に出て、日本語で簡単に予約が取れたようです。日本語を話せるスタッフがいる可能性があるので、最初にIs there somebody who can speak Japanese?と尋ねるといいかも!
流れとしては、予約したい日時と人数を伝える→名前を伝える→クレジットカードの番号とセキュリティコードを伝える→メールアドレスを伝える→予約番号をもらう…というような感じです。
とにもかくにも、予約番号(コード)さえゲットしてしまえばこっちのものです!
オペレーターに伝えなければならないことがいくつかあるので、手元にメモとして置いておけば、スムーズに会話を進められます。モデルの英文をあらかじめ作っておくのもおすすめです。
確認のメールが送られてこない場合はどうしよう?
電話での予約は、メールアドレスを口頭で伝えるためか、予約確認のメールが送られてこないことがよくあります。
私も、メールアドレスが長すぎて途中で伝え間違いがあったのか、メールは来ませんでした。
ですが確認メールが届かなくても、予約番号さえ控えておけば『最後の晩餐』の鑑賞はできますので、あまり心配しなくて大丈夫です。
フィフティーン/フィフティは聞き取りづらいけど、50分という予約時間はない!
英語で電話予約して予約できた時間を聞き取る場合、15分(フィフティーン)と50分(フィフティ)は、聞き分けるのが難しいです。
ですが、最後の晩餐は15分刻みで予約を取るため、50分という時間はありません。
フィフティー的な音が聞こえたら、間違いなく15分です。
「最後の晩餐」電話予約
- 電話予約の電話番号:+39 02 92800360(何度もかけないとつながらないこともあります)
- 営業時間は現地時間で8:15~18:45。日本時間だとだいたい夕方5時~深夜2時あたり
- 電話予約できる予約は9人まで
『最後の晩餐』をメールで予約する
あまりポピュラーな方法ではありませんが、実はEmailアドレスを送信して、『最後の晩餐』を予約する方法があります。
なぜポピュラーでないかというと、残念ながら10人以上の予約でないとメール予約はできないようです(2023年現在)。
もし大人数で行く予定であれば、使いやすい予約方法ですね。
『最後の晩餐』メール予約
メールアドレス:cenacologruppi@adartem.it
(10人以上の予約の場合のみ受け付け)
『最後の晩餐』の予約代行を利用する
ネット予約や電話予約の自信がない…という場合は、手数料がかかりますが、オプショナルツアーを販売している会社の、『最後の晩餐』予約代行を利用しましょう。
もしパックツアーの自由時間を利用して、『最後の晩餐』を見たいという場合は、ツアー会社に相談すれば、予約代行してもらえることもあります。
ミラノで宿泊するホテルに予約代行をお願いする手段もあると思いますが、『最後の晩餐』の予約は取りづらいため、予約代行を行っていていないホテルがほとんどです。
もし予約代行を引き受けてもらえても、それなりの手数料を取られる可能性が高いと思います。
『最後の晩餐』の予約代行を扱っているサイト
朝一番の予約は避けた方がよいかも?
『最後の晩餐』の朝一番の予約時間は、8時15分です。
私は、他に選択肢がなく、この朝一番の時間に予約しましたが、受付窓口も8時15分ジャストに開きました。
何が言いたいか…というと、8時15分~30分までの15分間の見学なのに、その15分の中に受付時間まで含まれてしまったため、15分たっぷり鑑賞することはできなかったです。
朝一番以外の時間であれば、予約時間前に受付を済ませることが可能だと思いますので、できれば朝一番の予約は避けた方がよいかもしれません。
『最後の晩餐』見学当日の注意点
30分前には到着するようにしよう!
時間にルーズなイタリアのくせに、このルールは厳しくて、遅刻すると中に入れてもらえないこともあるそうです。
『最後の晩餐』のあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会には、地下鉄かトラムを使っていく人が多いと思いますが、地下鉄の駅からの行き方は少々わかりづらいです。
トラムは教会の目の前まで行きますが、こちらは乗り方がわかりにくいです。
どちらかといえば地下鉄で行く方がわかりやすいかと思いますが、いずれにせよ教会まで行くのに迷子になる人もいますので(それは私のこと)、早めに45分前には着くような気持ちでいることをおすすめします。
教会と『最後の晩餐』の入り口は別!
『最後の晩餐』を所蔵しているサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会は、教会自体もルネサンス様式の、美しい教会です。『最後の晩餐』を鑑賞に行くときは、教会の見学もおすすめします。
このサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会は、丸い屋根が印象的ですが、『最後の晩餐』は、この丸屋根のある教会内にはありません。教会の左手にある、別の建物の中にあります。
『最後の晩餐』を探して教会内をさまよっているうちに、予約の時間に遅れてしまうなんてことがないように注意してください!
私は教会の中をウロウロしていたら、神父さんに「『最後の晩餐』はこちらですよ」と、連れて行ってもらいました。
『最後の晩餐』あれこれミニ情報
写真撮影ができるようになったらしい!
イタリアでは、芸術作品の写真撮影解禁の流れが進んでいますが、何と、『最後の晩餐』も撮影可になったそうです!
ただしフレスコ画なので、フラッシュは禁止です。
ただ『最後の晩餐』は、厳しく保護されている作品のため、また撮影禁止になる可能性もあると思います。現地で確認してください。
レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』はイタリア語で『Cenacolo』
イエスが12人の弟子と食事を取り、その最中に「この中に裏切り者がいるぜ!」と衝撃の事実を告げる「最後の晩餐」というテーマは、西洋美術では多く描かれた主題です。
数多くの画家が描いた「最後の晩餐」作品の中で、世界で一番有名なのが、このレオナルド・ダ・ヴィンチ作『最後の晩餐』です。
イタリア語で「最後の晩餐」は、「Ultima Cena」です。
しかし、このレオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』だけは特別扱いで、「Ultima Cena」と呼ばず「Cenacolo(チェナーコロ)」もしくは「Cenacolo Vinciano(チェナーコロ ヴィンチャーノ)」と呼びます。
無理に日本語訳すると、「Ultima Cena」が「最後の晩餐」、「Cenacolo Vinciano」が「ヴィンチの描いた最後の晩餐画」みたいな感じです。
日本語では、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いたものも他の画家が描いたものも「最後の晩餐」と呼ぶので、この微妙なニュアンスの違いはわからづらいですね。