【目次】
イタリアでは、民泊が盛んです。
ホテル予約サイトのBooking.comや、クチコミサイトのTripAdvisor(トリップアドバイザー)で、上位にランキングされるホテルの中にも、個人経営の小さなホテルがたくさんあります。
イタリア旅行で日常のイタリアを身近に味わいたいなら、こういった個人経営のB&Bや、レジデンス(アパートタイプのホテル)に宿泊することをおすすめします。
「いかにもホテル」という感じの大型ホテルの部屋に比べて、部屋のインテリアにオーナーの個性が出ていて、イタリア人が実際に住んでいる住居に近い雰囲気を楽しむことができます。
また個人主義が強いイタリアでは、大型ホテルの雇われているホテルスタッフより、自分で自分のホテルを経営しているオーナーの方が、やる気とホスピタリティに満ちていることが多いです。
自分の利益に直結しますからね 。
しかし、イタリアで個人経営の宿泊施設を利用する場合はいくつか注意点があります。
自分のための忘備録としてまとめてみました。
個人経営のホテルはフロントが24時間体制ではない
個人経営のB&Bやレジデンスは、フロントが24時間体制ではありません。
本業の片手間にB&B経営をしている人も多いので、チェックインの時以外はホテルのオーナーやスタッフに会えないこともあります。
今から並べていく注意点の多くは、この「フロントが24時間体制でない」ということに起因するので、まずは基本として頭に入れておいてください。
到着時間を伝えておくのが安心
フロントが24時間開いていないということは、いつでも好きな時にチェックインすることができないということです。
個人経営のB&Bやレジデンスを予約すると、前日までにメールか電話で、宿泊当日の到着時間を聞かれます。もしくは宿泊当日に、着いたら連絡をするように言われます。
オーナーがいつも宿泊施設の周辺にいるわけではないので、オーナーと待ち合わせ時間を決める必要があるのです。
しかし、イタリアには時間にいいかげんな方が多いので…約束の時間に遅れることは日常茶飯事です。
それでも約束そのものを忘れられるよりはずっとマシですけどね…(ローマで一度経験あり)。
私は一度メールで到着時間を伝えてあっても、宿泊する日が近くなったら、念のためもう一度到着時間を知らせるようにしています。
建物にホテルの看板がないことがある
まだ私がイタリア旅行のビギナーであったころ、現地で個人経営のB&Bやレジデンスの建物を探すのに非常に苦労しました。
というのも、個人経営のホテルは建物に看板が出ていないことが多いのです。
また、普通のホテルのように、誰でも外からフロントまで入れるような設備ではありません。建物の扉は固く閉ざされています。
では建物までたどり着いたらどうすればよいか…というと、まずは呼び鈴を探します。
そして、B&Bやレジデンスの名前が書いてあるベルを探します。それが見つかったら、目当ての建物はそこで間違いありません。
時々、このベルは宿泊施設名ではなく、オーナーの名前になっているので、オーナーの名前を確認できるようにしておきましょう。
それから到着したと知らせるために、ベルを押して下さい。
インターフォンでオーナーが応じてくれるか、もしくは宿泊客が来たことを察して、遠隔操作でドアを開けてくれます。
カチャっという音がしたら鍵が開いた音なので、ドアを開けて中に入って下さい。
どのベルを押せばいいかわからないこともありますが、そんな時は全部押してください。
「そんな迷惑な…!」と思うかもしれませんが、イタリア人にそうするように教えられました…。
どこかのボタンで目当てのオーナーにつながるか、間違えて押された家の人が「あ。たぶん宿泊客が来たよ」と、オーナーに教えてくれます。
チェックインに時間がかかることを想定しておく
個人経営のB&B・レジデンスは、フロントが24時間体制でないので、チェックイン時に必要な手続きはだいたい済ませます。支払いまで済ませることもあります。
そのため、チェックインは普通の大型ホテルより長くなります。だいたい15~30分はかかるので、想定しておきましょう。
また、地元を愛するオーナーは、町の見どころや、おすすめのお店などについてガイドしたがる傾向があります。
結構貴重な情報が詰まっているので、ありがたく聞いておきましょう(ただし情報が間違っていることもあります)。
しかしノンストップでしゃべり続けるオーナーもいるので、時間がない時は「時間がない」と、はっきり伝えましょう。
チェックイン時に確認しておきたいこと
フロントが24時間体制でない場合は、トラブルが起きた時にすぐには対処してもらえないので、部屋に問題がないか、困ることはないか、オーナーがいるチェックイン時に確認しておきましょう。
確認しておきたいのは以下の項目です。
お湯が出るかどうか!
まずは、お湯です。久しぶりの宿泊客の場合、湯沸かしシステム自体の電源を切っていて、お湯が出ないこともあるので、必ず確認が必要です。
テレビが映るかどうか!
テレビが映らないことも多発するトラブル。また、イタリアのテレビのリモコンは妙に複雑なので、使い方を聞いておいた方が無難です。
最近はスマホやタブレットの普及で、テレビを置いていないホテルが増えています。
キッチンや洗濯機の使い方
キッチン、洗濯機などがついているアパートホテルに宿泊しても、使い方がわからないと宝の持ち腐れ。
後から試行錯誤するのも時間の無駄なので、使い方を確認しておきましょう(聞いても「わからない」と言われることもありますが…)。
エアコン・暖房器具の使い方
オーナーがいるうちに、部屋の体感温度も気にしておきましょう。
旅行中に体調を崩してはいけませんので、寒い・暑いは遠慮せずに伝えましょう。
イタリアは日本より節電する傾向があるので、エアコンや暖房器具が、日本のホテルのように自動でつけっ放しではなく、夜間は切れる設定になっていることもあります。
その設定を宿泊客が変更できることもありますので、エアコン・暖房器具の使用法を教えてもらっておきましょう。
鍵の開け方・閉め方
結構重要なのがコレ。鍵の開け方・閉め方です。
イタリアは日本よりスリ・空巣の軽犯罪が多いこともあって、戸締りは二重・三重と厳重です。
そのため、外からホテルの部屋に入るまでに、3回も4回も鍵を開けなければならないことがあります。
で、イタリアのカギは、古い建物であればあるほど日本人には使いこなすのが難しく、上手に開け閉めできないことがあります。
その建物の入居者しか知らないような、ちょっとしたコツ(ドアを右側に押すとか原始的な方法ですが…)が必要なカギもあるので、オーナーがいるうちに、鍵の開け閉めをトレーニングしておきましょう。
ここでも遠慮せずに、外から部屋に入るまで練習させてもらいましょう。オーナーに嫌な顔をされることはほとんどありません。
ちなみに、イタリアのドアのほとんどはオートロックなので、部屋から出る時は絶対に鍵を持って出ることを忘れずに!
フロント24時間体制でない場合は、最悪の場合、中に入ることができなくなります。
私は個人経営のホテルに泊まる場合は、部屋の内側のドアノブに「カギ」とでっかく書いた紙を貼ってます。ダサいけど、締め出されるよりマシ!
支払いをいつするか
チェックイン時に支払いを求められない時は、一応、支払いはいつすればよいか確認しておきましょう。
支払いを済ませておいた方が、その後の旅程が自由ですので(オーナーと再度待ち合わせる必要がないため)私はなるべくチェックイン時に払わせてもらうようにしています。
ホテル予約サイトを通じて予約した場合は、自動的にクレジットカードから引き落とされるシステムになっていることもあります。
チェックアウトの仕方
フロントが24時間体制でなければ、チェックアウトも好きな時間にできない…と思うかもしれませんが、チェックアウト方法さえ聞いておけば、好きな時間に出ていくことができます。
大抵は、鍵をテーブルの上に置いてそのまま出て行ってOKと言われます(ドアはオートロックで閉まるため)。
しかしこの方法のチェックアウトは、一度外に出た後に中に戻ることが困難ですので、忘れ物がないか慎重に部屋を出るようにして下さい。
クレジットカードが支払いに使えないことが多い
イタリアの、個人経営のB&B・レジデンスは、支払いにクレジットカードが使えないことが多いということも、頭に入れておきましょう。
できればオーナーが近くに住んでいるのが望ましい…
以上、イタリアの個人経営のB&B・レジデンスにおける注意点は、スタッフが24時間常駐していないために、対策しておかなければならないことがほとんどです。
ですが、オーナーやスタッフが、同じ建物内に住んでいる場合は、何か困ったときはいつでもオーナーの部屋に行って、呼び鈴を押したりドアを叩いたりして助けを求めることができます。
安心のためには、できればオーナーが近くに住んでいることが望ましいのですが、そのあたりは、公式サイトを見ても、わからないことも多いです。
Booking.comや、TripAdvisorの宿泊客のクチコミでわかることもあるので、クチコミを注意深く読んでみましょう。
どうしても気になるなら、「オーナーは近くに住んでますか?」と、直接メールで問い合わる手もあります。
個人経営のホテルに宿泊する際の注意点まとめ
- 個人経営のホテルはフロントが24時間体制でないため、チェックイン・アウトの方法を確認しておく
- 建物に看板が出ていないため探しにくい。呼び鈴を押して到着を伝える
- オーナーやスタッフにはチェックイン時しか会えない可能性もあるため、チェックイン時に必要なことを質問しておく
- チェックインには大型ホテルより時間がかかる
- 鍵を中に忘れて閉め出されないように注意!
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