【目次】
ボルツァーノの教会といえば、南チロル独特のモザイク屋根を持つドゥオモ(大聖堂)がシンボルです。
ドゥオモにはたいていの人が入ると思いますが、その近くにあるドメニカーニ教会(Domenicani)も、ぜひ入場をおすすめしたい教会です。
ドメニカーニ教会内部で鑑賞できる、雰囲気あるフレスコ画を中心にご紹介します。
ドメニカーニ教会の外観
ドメニカーニ教会の外観は、非常にシンプルであまり目立ちません。
もともとは南チロル風のゴシック教会だったそうですが、第二次世界大戦で破壊され、現在見ることができるのは再建された姿です。
ドメニカーニ教会の内部
ドメニカーニ教会には無料で入場できます。
再建されたためか、内部は新しい感じですっきりしています。破壊を免れたフレスコ画なのか、一部の壁画が残っています。
こちらは教会の主祭壇がある建物ですが、見どころの多いフレスコ画はこの主要な部屋ではなく、右隣の礼拝堂にあります。
サン・ジョヴァンニ礼拝堂のフレスコ画
主要祭壇がある建物から右手の方に、フレスコ画が一面に描かれたサン・ジョヴァンニ礼拝堂があります。
足を踏み入れると非常に暗いですが、入り口近くに、点灯してフレスコ画を鑑賞するためのマシンがあります。
点灯するための50セント硬貨を用意しておきましょう!
フレスコ画「死の凱旋」
このサン・ジョヴァンニ礼拝堂に描かれたフレスコ画で、最も目を惹くのが「死の凱旋」または「死の勝利」と呼ばれるフレスコ画です。
「死の凱旋」は、中世のヨーロッパ美術でよく描かれるモチーフです。死を象徴するモンスターが、死から逃れようとする人々を襲ったり、制服したりする図柄です。
中心に描かれた「死」です。馬にまたがった、黒い悪魔のような騎士として描かれています。
右手の方には、「死」から逃れようと逃げる人々。死を制止するかのように、手を挙げています。
既に「死」の手にかかってしまったのか、グッタリしている人もいます。
左の方には、比較的落ち着いた目で死を眺める人々と、天使たちが描かれています。
天使たちは、司教のような人に、小さな人間の魂を届けているように見えますね。死後に、天国に行く善人の魂なのでしょうか。
その他のフレスコ画
サン・ジョヴァンニ礼拝堂は、ほぼ一面にフレスコ画が描かれているので、ついつい長居して見学してしまいました。
こちらは受胎告知。人物の顔が「ジョット風」ですね。実際に、このサン・ジョヴァンニ礼拝堂のフレスコ画は、ジョットの画風に影響を受けたパドヴァ派が手掛けたのだとか。
こちらは聖母マリアが幼子イエスを連れてエジプトへと逃れる「エジプトへの逃避行」ですが、パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂で見た、ジョットの作品にそっくり。
でも、そっくりとはいえ、作品の質自体は高いと感じました。
上の方には、おそろいのボーダー服を来た人々の絵が。
窓から聖人のような人が、何かを入れようとしてますね。貧しい三姉妹の家にお金を投げ入れたという、聖ニコラスの絵かなあ?
このほかにも、ちょっと撮影をためらうような、残酷な場面の殉教画などもありました。
とにかく壁面いっぱいに描かれているので、見ごたえがあります。ゆっくり時間をかけて鑑賞することをおすすめします。
私は観賞に30分くらいかかりました。
まとめ
ドメニカーニ教会は、フレスコ画がたくさん描かれたサン・ジョヴァンニ礼拝堂を無料で見学できますので、ぜひ入場してみてください。
また、ドメニカーニ教会には、フレスコ画が描かれている回廊が隣接しているのですが、私が訪問した時は修復中のため入れませんでした。
この回廊まで見学するなら、さらに時間が必要になるので、全体で30分~1時間弱くらいの所要時間を見積もっておいた方がよさそうです。
- イタリア旅行マニアで今まで9回イタリアに足を運んでいます。何度でもイタリアに行く自分のために、イタリア旅行のマニュアルを作成したのがこのサイトです。
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