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ボルツァーノの古城といえば、旧市街から数㎞北にあるロンコロ城(Castel Roncolo)。

中心部から少し離れた場所にあるので、ボルツァーノ観光に行ってもスキップされてしまうこともありますが、古城好きの私はバスに乗って行ってまいりました。

ボルツァーノ中心部からロンコロ城への行き方はこちら→ロンコロ城への行き方を詳しく解説!

このページでは、実際にロンコロ城で撮影してきた画像を使いながら、フレスコ画を中心に、ロンコロ城観光をガイドします!

ロンコロ城で最初に入る建物のフレスコ画

ロンコロ城

ロンコロ城の順路は、まず最初に4階建ての建物を上まで見学します。

お風呂の間

ロンコロ城内部フレスコ画

まずは「お風呂の間(Stua da bagno)」と呼ばれる部屋のフレスコ画!

ロンコロ城内部フレスコ画
ロンコロ城フレスコ画

高貴な雰囲気の男女が、バルコニーに一人ずつ描かれています。絵本の挿絵のようなやさしいタッチです。

ロンコロ城フレスコ画

後ろ向きに座ったり、思い思いのポーズを取っています。

荘厳な宗教画ではなく、素朴で生き生きした庶民が描かれていて、見ているこちらも楽しい気分になってきました。

ロンコロ城フレスコ画

動物たちも描かれています。南チロル地方の貴族は狩り好きだったそうで、動物に親しみがあったのかもしれません。

さて、なぜこのお部屋が「お風呂」だなんて呼ばれているかというと…

ロンコロ城フレスコ画

「今からお風呂にでも入るのかな?」みたいな、テルマエ・ロマエ的な全裸の人々が描かれているからです。

ですが、実はこの人々が衣服を着ていないのは、この絵が未完に終わっているためなのだそうです。

こうやって裸の人物を描いてから、洋服を着せて仕上げていくという描き方なんですね。

ロンコロ城

天井には星空と、太陽と月?が描かれていました。この太陽と月の表情、めっちゃなごみますね。

ロンコロ城

こういったフレスコ画が描かれたのは、ロンコロ城の最盛期14世紀頃だそうです。いわゆる「中世のフレスコ画」になります。

馬上試合の部屋

ロンコロ城

ロンコロ城の上の方の階、「馬上試合の部屋(Sala del Torneo)」と呼ばれる部屋のフレスコ画も見事です。

ロンコロ城

馬にまたがった騎士どうしが戦っています。

しかし実はこれ、深刻な戦争ではなく、エンターテインメントとしての戦い…つまり戦いではなく試合なのだそうです。

ロンコロ城

その証拠に、めっちゃ楽しそうに観戦している貴族たちがいます(笑)。

スポーツ観戦のようなものが、中世から人間の娯楽として成り立っていたということですね。

ロンコロ城

下の方には、ボール投げ遊びをしている貴族たちが描かれています。ドレスを着てボール投げするんですね。

ロンコロ城

この人たちは、手をつないでダンスをしてます。

ロンコロ城

後ろの方に、ダンスの伴奏をしていると思われる演奏家の姿があります。

ロンコロ城

階段の近くには、魚を網ですくっている人々の姿が。金魚すくいのワイルド版というところでしょうか。

しかし、楽しそうで何よりですね。

カップルの間

「馬上試合の部屋」の奥には、「カップルの間」と呼ばれる部屋がありました。

ロンコロ城

男女のペアが何組か描かれています。女性の洋服カワイイ!

ロンコロ城

布地の描き方は立体的で精巧です。

「中世画はのっぺりしていてルネサンス画より劣る」と言われることもありますが、中世画といってもいろいろで、こんなに立体的に描かれることもあるんですね。

ちなみにこの部屋は「カップルの間」と呼ばれていますが、「描かれた男女は実際には恋人ではないのではないか?」と、説明書きに書かれていました。

離れた建物の中のフレスコ画

ロンコロ城

ロンコロ城は中庭を挟んで、もう一つの建物内も見学します。

最初に入口で、「離れの建物もしっかり見学してね!」と言われました。

離れの建物は木造の部分があり、日本人にはどこか親しみやすい感じがします。

外壁にもずらっとフレスコ画が描かれています。

ロンコロ城

この天使は力強くて、すごく印象的でした。

ロンコロ城

中に入ると、最初はモノクロっぽいフレスコ画があります。

ロンコロ城

中世の騎士物語「トリスタンとイゾルデ」を描いたものだそうです。

私は読んだことがなくてよくわかりませんでしたが、話を知っておけばもっと楽しめるのかもしれません。

ロンコロ城

こちらは、トリスタンもその一員である、アーサー王に仕えた「円卓の騎士」を描いた絵。

「キリスト教絵画の『最後の晩餐』の構図に似ているなあ」と思いましたが、アーサー王に仕えた円卓の騎士が12人なのは、やはりキリストの弟子が12人であることから来ているそうです。

この「円卓の騎士」は、入口のスタッフ女性がイチオシしていた作品でした。「この絵は必ず見てください!」みたいな感じで。

ロンコロ城

こういう中世騎士物語がモチーフとなるフレスコ画を見ると、やはりボルツァーノがドイツ語圏に近い地理にあることを実感します。

「トリスタン・イズー物語」は入手しにくいので、こういった中世騎士物語を1冊読んでおくといいかもしれませんね。

ロンコロ城はおすすめ!ぜひ行こう!

ロンコロ城フレスコ画

以上、フレスコ画を中心にロンコロ城をご紹介しました!

ロンコロ城は、城内のフレスコ画の量と質が思っていた以上でした。

フレスコ画は南チロルらしい穏やかで楽しい雰囲気にあふれています。

ボルツァーノ観光の機会があったら、ぜひロンコロ城まで足を延ばしてみてください。

ロンコロ城へのくわしい行き方はこちら→ロンコロ城への行き方を詳しく解説!

この記事を書いた人
辺獄
辺獄イタリア旅行マニア
イタリア旅行マニアで今まで9回イタリアに足を運んでいます。何度でもイタリアに行く自分のために、イタリア旅行のマニュアルを作成したのがこのサイトです。