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ローマには数多くの美術館・博物館があります。
展示作品が量・質ともにレベルが高いミュージアムが多く、どこに行こうか、ゼイタクに迷ってしまいます。
もし、イタリアのルネサンス期~バロック期の絵画が好きなら、バチカン美術館、ボルゲーゼ美術館の次におすすめしたいのが、バルベリーニ宮殿内の国立古典絵画館です。
ボルゲーゼ美術館は完全予約制で、やや町外れにあり、ちょっとハードルが高い美術館なので、「ローマ滞在中に急に時間ができた!」という場合は、ローマのほぼ真ん中にある、バルベリーニ宮殿の絵画館をおすすめします。
バルベリーニ宮殿(国立古典絵画館)への行き方
バルベリーニ宮殿は、ローマの主要観光地の真ん中ほどにあり、どこからでもたいていは歩いて行けます。
テルミニ駅から15~20分、スペイン広場から10分、コロッセオから30分弱、パンテオンなどがあるナヴォーナ広場から20分です。一番遠いバチカンからは、40分ほどです。
徒歩の所要時間を見ると、「え?遠くない?」と思うかもしれませんが、バルベリーニ宮殿周辺は、見どころのある広場や教会が多いので、楽しいものを見かけたら止まるという感じで歩けば、全然遠く感じません。
バチカンから40分かかると言っても、途中でサンタンジェロ城や、スペイン広場に寄りながら歩けば、移動自体が観光になります。
とはいっても、時間がなくて、寄り道せずにピンポイントでバルベリーニ宮殿へ行きたいという場合もあるでしょう。
そういう方も心配はご無用!バルベリーニ宮殿近くには、地下鉄バルベリーニ駅があるため、地下鉄でかんたんにアクセスできます。
ローマの地下鉄はスリが多いので、乗車する際は気を付けてください!私が地下鉄でヒヤッとした体験も載せた、こちらの記事もあわせてご覧くださいませ→ローマの治安を実体験で語る!3つの危険エリアと旅行者が注意したいこと
バルベリーニ宮殿の見どころ
バルベリーニ宮殿は「絵画館」というだけあって、珠玉のイタリア絵画がそろっています。
この国立古典絵画館の展示物の中で、特に見逃せない傑作を、ご紹介します。
現在、国立古典絵画館はフラッシュなしでの撮影が解禁されていますが、私が入館した時は撮影禁止だったため、画像は、絵画館外の装飾、もしくはポストカードを撮影したものです。撮影できなかった作品は、絵画館公式サイトの画像ページへリンクしています。
ラファエロ「フォルナリーナ」
国立考古学博物館の展示作品の中で、最も有名なのが、ラファエロが描いた裸婦「フォルナリーナ」です。
女性好きだったと言われるラファエロの、恋人がモデルなのでは?と言われる作品で、女性が左腕にはめている腕輪には「ラファエロ」と書かれています。「オレの女」という主張のようにも見えますね。
この作品に描かれた女性は、フィレンツェのパラティーナ美術館内にある、ラファエロ作「白いヴェールの女」と顔が似ていて、同じモデルではないかという説もあります。
カラヴァッジョ「ナルシス」含め3点
ローマにはカラヴァッジョ作品が多いですが、ここ国立古典絵画館にも、3作品の展示があります。
その中で「ナルシス」は、ギリシャ神話モチーフの絵画です。
ナルシストの語源にもなった美少年ナルシスが、水に映った自分の姿に恋をする、倒錯的な美しさのある作品です。
日本で開催されたカラヴァッジョ展で来日したため、見たことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。
他のカラヴァッジョ作品は、生々しさと緊迫感にあふれた「ホロフェルネスの首を切るユーディット」、正反対に静謐な雰囲気をもつ「瞑想する聖フランチェスコ」です。
フィリッポ・リッピ「聖母子」「受胎告知」
ルネサンス初期の画家で、ボッティチェリの師であるフィリッポ・リッピの作品は2つ展示されています。
一つは「聖母子」。
リッピ作品の中で、最高傑作というわけではありませんが、聖母マリアが、リッピの絵の特徴である、はかなげで優美な女性として描かれています。
もう一つが「受胎告知」。
受胎告知ににしては珍しく、所諸懐妊の知らせを聞く聖母マリアが、横顔ではなく、正面から描かれています。「聖母子」より、こちらの作品の方が私は好きでした。
グイド・レーニ「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」
バロック期の画家グイド・レーニの作品の中で、密かな人気を誇る「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」が、バルベリーニ宮にあります。
装飾のない服を着た、幸の薄そうな少女が、はかなく微笑んでいる絵です。
この絵のモデル「ベアトリーチェ・チェンチ」は、父親殺しの罪で処刑される少女ですが、父親の家庭内暴力が原因であったため、当時のローマ市民からは減刑を求める声が大きかったそうです。
グイド・レーニは、この事件と同時代を生きているため、実際に本人を見て描いた可能性はあるかもしれません。
ピエトロ・ダ・コルトーナの天井画
バルベリーニ宮には、個人邸宅の天井画としてはかなり大きな規模を誇る、ピエトロ・ダ・コルトーナの「神の摂理の勝利」があります。
ローマのバロック美術の到達点とも言える、だまし絵的な天井画で、立体的に見える迫力満点のビックリ絵画です。
天井画なので、他の絵とは違って展示されているのではなく、絵画館内にある大きな部屋の天井にそのまま描かれています。
天井画をゆっくり鑑賞できるように、寝転んで天井を眺めるためのソファがあるので、思う存分楽しめます。
国立古典絵画館鑑賞の注意事項
バルベリーニ宮殿国立古典絵画館は予約が必要?
バルベリーニ宮は、ローマでも指折りの美術館ですが、ローマには他にも見どころが多すぎるため、行列ができるという話は聞いたことがありません。
私が入館したときは、シーズンオフの3月とはいえ、鑑賞者は少なく、ストレスなく楽しめました。
今のところ、予約の必要はないと思います。
バルベリーニ宮殿の荷物預かり情報
バルベリーニ宮には、大きな荷物を持って入ることができず、切符売り場近くのクロークで預けなければいけません。
小ぶりの手提げ袋でも、預けるように言われたため、結構チェックは厳しいですが、小さいショルダーバックなら持って入れます。
クロークに貴重品を預けるのは不安なので、貴重品を持ち歩くための、ミニショルダーを用意しておくと便利です。
バルベリーニ宮殿の順路
国立古典絵画館の順路は、少しわかりにくいため、注意が必要です。
2、3階に行くには、いったん1階の展示室から切符売り場へ戻ります。
切符売り場の前を通って庭に出て、庭から続く階段から、上の階へと上ります。
切符売り場の前を通過して外に出るため、退館扱いになるのではないかと不安になります。心配な場合は、念のため切符売り場のスタッフに確認するとよいです。
各階の建物に入るたびにチケットの提示が必要なので、チケットはなくさないようにしましょう。
2、3階を見学した後、1階に戻ることは可能です。
バルベリーニ宮殿はコルシーニ宮殿と共通券
バルベリーニ宮殿の入場切符は、現在、コルシーニ宮殿との共通切符€12になっています。
コルシーニ宮殿には、カラヴァッジョやルーベンスの作品を所蔵する国立コルシーニ宮美術館が入っています。
バルベリーニ宮殿からはやや遠く、テヴェレ川の向こう側にあります。
テヴェレ川沿いの散策や、トラステヴェレ観光をする際に立ち寄るとよいでしょう。
バルベリーニ宮殿の楽しみ方は絵画館だけではない!
バルベリーニ宮は外観も楽しめる!「ローマの休日」のロケ地も!
バルベリーニ宮は、館のあちこちに見られる、バルベリーニ家のシンボルであるハチや、庭の外壁にずらーっと並んだ下を向いているオヤジの柱など、展示物以外にも見どころいっぱいです。
また、バルベリーニ宮殿の入口部分は「ローマの休日」のロケにも使われたそうなので、映画ファンにもひそかに人気のスポットになっています。
近くの4つの噴水まで行ってみよう!
バルベリーニ宮は、坂の途中にあります。
この坂を上り切った交差点には、四つ角に噴水が作られていて、いかにもバロック的な景色になっています。
バルベリーニ宮まで行ったなら、ぜひこの4つの噴水まで歩いてみましょう。歩いて5分もかからないくらいです。
もし、もう少し時間があったら、交差点を渡って、サン・カルロ・アッレ・クワトロ・フォンターネ聖堂の中に入ってみましょう。
バロック期の建築家、ボッロミーニが手掛けた、神秘的な楕円天井が美しい教会です。
ちなみに、ボッロミーニは、バルベリーニ宮殿の建築にもたずさわっています。
バルベリーニ宮殿(国立古典絵画館)
イタリア語:Palazzo Barberini(パラッツォ・バルベリーニ)
公式サイト:https://www.barberinicorsini.org/
旅行記:2013年
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- イタリア旅行マニアで今まで9回イタリアに足を運んでいます。何度でもイタリアに行く自分のために、イタリア旅行のマニュアルを作成したのがこのサイトです。
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