【目次】
ローマは見どころ多すぎで、どこに行こうか迷ってしまいますが、ラファエロ好きなら外せないのがファルネジーナ荘。
ギリシャ神話をモチーフにした、ラファエロの傑作が残されている、ルネサンス期に建てられた貴族のお屋敷です。
テヴェレ川を渡った先の、ローマの観光中心部とは離れた場所にあるためか、ローマでは比較的観光客の数が少ないため、穴場スポットを訪ねたい人にもおすすめです!
ファルネジーナ荘への行き方・アクセス
ファルネジーナ荘は、テヴェレ川の左岸にあり、ちょうどサンタンジェロ城とトラステヴェレ地区の中間ほどにあります。
テヴェレ川に近い場所からなら歩いて行けます。私は、カンポ・ディ・フィオーリ広場近くの宿泊先から歩きました。
テルミニ駅から行くなら、40番バスでヌォーヴァ教会近くで降りるか、64番バスでサンタンジェロ城の南付近で降りるかです。
所要時間は、ファルネジーナ荘まで歩く時間まで入れて30分弱ほどです。どちらのバス停もファルネジーナ荘まで歩いて10分ほどかかります。
しかし、ローマの市バスはわかりにくいのが難点で、バス停を探す時間や、バスを待つ時間などを含めると、想定以上の時間がかかる可能性があります。
テルミニ駅から直接バスで行くよりも、ファルネジーナ荘近くの、サンタンジェロ城やトラステヴェレ地区、カンポ・ディ・フィオーリ周辺とあわせて、徒歩で観光する方がおすすめです。
ファルネジーナ荘見学に必要な所要時間は?
ファルネジーナ荘は、ラファエロの壁画以外にも、壮麗な壁画が描かれた大きな部屋がいくつかあります。
それでもローマ内にある他の広い美術館にくらべると、短い時間で見て回れます。
興味にもよりますが、40分~1時間程度がファルネジーナ荘鑑賞の目安になります。
ファルネジーナ荘の注意点
ファルネジーナ荘はローマパスの特典外
ファルネジーナ荘は、ローマパスに登録されている観光地ではありません(2018年現在)。
そのため、ローマパスを使った無料入場や、割引入場の対象外ということを注意してください。
ファルネジーナ荘の入口はテヴェレ川には面していない
ファルネジーナ荘は、地図で見ると、テヴェレ川に面した大通りから入れそうですが、テヴェレ川の方からは入れません。
入口は、川沿いの通りから一本入った、ルンガラ通り(Via della Lungara)という狭い通りから入ります。
似た名前の建物があるので注意!
ファルネジーナ荘(Villa Farnesina)の近くに、ファルネーゼ宮(Palazzo Farnese)という似た名前のお屋敷があります。
ファルネーゼ宮の方は、テヴェレ川の右岸にあります。
つい混同しそうになるので、注意してください。
ファルネジーナ荘のフレスコ画をご紹介
ファルネジーナ荘で鑑賞できるフレスコ画で、代表的なものを中心にご紹介いたします。
1階
ガラテアのロッジア(Loggia di Galatea)
順路の最初に、いきなりラファエロの壁画「ガラテアの勝利」がある「ガラテアの間」に入ります。
こちらがラファエロ作「ガラテアの勝利」。
醜い一つ目巨人ポリュペーモスが、海の妖精ガラテアに恋したという、ギリシャ神話のストーリーがモチーフになっています。
この絵は、「美しい私がアナタなんか相手にするわけないでしょ!」と、中央に描かれたガラテアが、ポリュペーモスをあざ笑っている場面だとか(ヒドイ)。
ちなみに、ポリュペーモスはこのラファエロの絵の中には描かれていませんが、この絵の左側に、ピオンボという別の画家によって、さみしそうな巨人の姿として描かれています。
上空を飛んでいる3人の天使のような子供はクピド(エロス)で、恋の矢を放っています。右端のクピドが、ガラテアを狙っているように見えるのが不思議ですよね。下の中央で、つまんなそうな転がっているクピドは、恋が敗北したことを表しているのでしょうか?いろいろ解釈できる、おもしろい構図になっています。
「ガラテアの間」には、ペルッツィによって、黄道12星座にまつわる絵や、ギリシャ神話の神々の絵も描かれています。
アモーレとプシケのロッジャ(Loggia di Amore e Psiche)
ガラテアの間に続くのは、「アモーレとプシケのロッジャ」。
ラファエロの工房によって、ギリシャ神話のエロス(クピド、アモーレとも。英語ではキューピッド)と、プシケ(プシュケー)の愛の物語が描かれています。
母親のアフロディテの命でプシケを他の男に恋をさせようと企てたエロスが、まちがえて恋の矢で自分を傷つけてしまい、プシケに恋に落ちてしまう、神様の話にしてはドジでおちゃめなストーリーです。
ラファエロの弟子のジュリオ・ロマーノ、ペンニ、ジョヴァンニ・ダ・ウーディネなどの手によって描かれた壁画で、キリスト教絵画とは一味違う、明るさに満ちた作品になっています。
ギリシャ神話の神々を象徴する物を持って飛んでいる、かわいい天使たちも壁画を彩っています。剣と盾は戦いの女神アテナ、三叉の鉾は海王ポセイドンの象徴です。
2階
遠近法の間(Sala delle prospettive)
2階に上がると、「遠近法の間」があります。
奥行きのない壁の向こうに、テラスが続いているようなだまし絵が描かれていて、実物は結構上手に描かれていてだまされそうになります。
「遠近法の間」を手がけたのは、ガラテアの間でもフレスコ画を描いているペルッツィ。
この「遠近法の間」にもギリシャ神話のオリンポス12神が描かれています。
結婚の間(Stanza delle Nozze)
「遠近法の間」に続くのが「結婚の間」です。
16世紀に、ソドマによって、アレクサンダー大王の結婚が描かれています。
ファルネジーナ荘まとめ!
以上のように、ファルネジーナ荘は、ラファエロの傑作壁画をはじめ、ギリシャ神話にまつわる壁画ざんまいです。
ギリシャ神話好き、壁画好きには、ぜひおすすめしたいスポットです。
ファルネジーナ荘のお隣には、カラヴァッジョの傑作を所蔵している国立コルシーニ宮美術館があるので、いっしょに訪問する手もありますね。
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