【目次】
ローマは無料で入れる教会が多い!
ローマは、カトリックのお膝元という土地柄のためか、ローマにあるほとんどの教会は無料入場できます。
フィレンツェやヴェネツィアなど、他の観光地で有料教会が多いのに比べると、貧乏旅行者にはとってもありがたいことです。
しかも、その無料で入れる教会の中には、お金を払ってでも見たいと思うような、素晴らしい芸術作品を所蔵している教会があります。
ラファエロやミケランジェロ、カラヴァッジョ、ベルニーニなどの傑作品を、タダで見せてもらえるなんて、感涙モノです。
私は、美術館よりも教会で見る芸術作品の方が好きだったりします。
美術館では、いかにも「展示されてる」って感じなのですけど、教会に置かれている作品は、場になじんでる感じがします。(無料だから好きなのでは?というツッコミもあり…)
ローマには過去3度足を運んでいますが、残念ながら、まだまだ無料教会の達人を名乗るにはヒヨッコの私です。いつか名乗れるようになりたいです(変な人生の目標)。
そんなわけで、まだまだヒヨッコではありますが、今まで足を運んだ無料教会を、地区ごとにご紹介します。
教会を紹介する前に、無料教会での注意点
ローマの無料教会には50セント硬貨を持って行こう
ローマの無料教会では、すばらしい芸術作品を拝めることがありますが、点灯マシンにコインを入れないと、しっかり鑑賞できない作品もあります。
点灯マシンはたいてい50セントで、50セント硬貨しか使えません。(たまに1ユーロの場合もある)
ローマの無料教会巡りには50セント硬貨をたくさん用意しておきましょう。
教会は祈りの場であることをわきまえよう
無料教会は、地元のお祈りしたい信者たちのための教会であり、観光客には好意で公開されているということを忘れないようにしましょう。
ミサをしている時には、観光客は入れないこともありますので、教会の係員の指示に従いましょう。
ミサ中に観光が許可されている場合でも、大きな音を立てない、ミサをしている礼拝堂に近づかない、ロープが張ってある場合はその先には立ち入らないなど、ミサの邪魔にならないように気をつけましょう。
バチカン市国
サン・ピエトロ大聖堂
主な芸術作品:ミケランジェロ「ピエタ」
ローマ観光の代表格であるサン・ピエトロ大聖堂。
荷物検査が厳しく、行列はそれほど並んでないように見えても、中に入るまで時間がかかります。時間がない方は、入場まで時間がかかることを計算に入れておきましょう。
ミケランジェロの「ピエタ」は最高でした。芸術作品多すぎのローマで、「これだけは」という必見作品の一つだと思います。
サン・ピエトロ大聖堂のクーポラ(丸屋根)に上る!
サン・ピエトロ大聖堂の、クーポラに上るのは有料です。
クーポラに上る予定の人は、聖堂内の見学より先に上ることをおすすめします。下りはエレベーターを使って聖堂内に降りて来れるので、そのまま聖堂内の見学ができます。
先に教会内を見学すると、クーポラに上るためにはまた行列に並び直さなければならないので、時間のロスになります。
クーポラに徒歩で上るのは、結構しんどかったです。
サン・ピエトロ大聖堂のクーポラに上ってしまうと、当然のことながらサン・ピエトロ大聖堂を含めたローマのパノラマを見ることができないので、どちらかと言うとサンタンジェロ城屋上からの眺めの方が良かったです。
ただ、サン・ピエトロ大聖堂のクーポラに上るという体験自体が思い出になりますし、聖堂前のサン・ピエトロ広場の眺めは印象的ですので、クーポラに上る価値はあると思います!
テルミニ駅周辺の無料教会
サンタ・マリア・マッジョーレ教会
サンタ・マリア・マッジョーレ教会は、テルミニ駅近くの、アクセスしやすい教会です。
非常に歴史が古く(後世の改築も多いですが)、ローマ内でも格式の高い教会の一つです。
伝説によれば、375年8月に聖母マリアの幻影が現れ、真夏に雪を降らせた場所に建てた教会だそうです。
正面がわかりづらいので、閉まってる!と思ったら、裏側に回ってみましょう。
古代ローマ時代の柱(遺跡から運んできたものらしい)、モザイク美術、ルネサンス美術、バロック美術といろいろな時代の作品・建造物を鑑賞できる教会で、ローマの持つエッセンスをぎゅっと詰め込んだような感じを受けます。
場所ごとに、時間差で灯りが点くので、見学したい場所に灯りが点くまで待ちましょう。特に正面のモザイクは、灯りが点いた時に見るのがおすすめです。
サンタ・プデンツィアーナ教会
たまたま近くを通りかかったので、入ってみた教会。
古代ローマ時代に、聖ペテロの世話をした聖女プデンティアナを祀った古い教会です。
かなり意味不明な「妖怪、温泉に浸かる」の図のモザイクがありました…って、おそらく今に思えば、コレ、四福音書記者の図ですね。390年頃に制作された、かなり古いモザイクです。
観光客はだーれもいなかったので、独占欲を満たせる教会。
サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会
主な芸術作品:ベルニーニ「聖テレーザの法悦」
サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会は、バロック期の巨匠ベルニーニ作「聖テレーザの法悦」があることで有名です。
「地球の歩き方」での取り上げ方は小さいですが、ここ最近の、表情が色っぽすぎる聖女像「聖テレーザの法悦」人気で、オフシーズンでもびっくりするほど観光客が多かった教会です。
バロック教会で、教会内はゴテゴテっと飾られています。それほど広くない教会なのですが、団体客もいました。
肝心の「聖テレーザの法悦」は、やや高い所にあるため、それほど近づいて見ることはできません。
見物客も多く、あまり落ち着いてゆっくり鑑賞できないのが残念でした。
テルミニ駅~ポポロ広場の無料教会
サン・カルリーノ・アッレ・クアットロ・フォンターネ教会
非常に美しい、独特の天井を持つ教会です。バロック期の鬼才建築家と言われる、ボッロミー二設計の教会です。
とても小さい教会で、交通量がすさまじい四つの噴水の交差点近くにありますが、中に入るとまるで別世界の独特の空間が広がります。
サンタンドレア・デッレ・フラッテ教会
主な芸術作品:ベルニーニ「天使像」(サンタンジェロ橋の天使像オリジナル)
サンタンジェロ橋のベルニーニの天使像の、オリジナル二体を所蔵しているのが、サンタンドレア・デッレ・フラッテ教会。
穴場スポットなのか、あまり観光客もいないので、ゆっくりと素晴らしい天使像を間近で堪能できます。おすすめの教会。
よくミサをしていますが、天使像のある礼拝堂をミサに使っていない時は、鑑賞しても大丈夫です。
観光客向けにトイレを開放はしていませんが、教会スタッフに頼むと、カギを貸してくれました。
サンタ・マリア・デル・ポポロ教会
主な芸術作品:カラヴァッジョ「聖パウロの回心」「聖ペテロの磔刑」
サンタ・マリア・デル・ポポロ教会は、ポポロ広場に面している大きな教会です。カラヴァッジョの二作品を所蔵しています。
カラヴァッジョ作品は祭壇左の、前寄りの方にあります。50セントで点灯して鑑賞すると綺麗です。
「聖パウロの回心」は、私のカラヴァッジョのお気に入り作品のひとつでございます。
サンタ・マリア・デル・ポポロ教会では、よくミサが行われていて、カラヴァッジョ作品のあるエリアに入れないことがあります。
教会に入った後にミサがはじまると、その時点でカラヴァッジョエリアが立ち入り禁止になることもあるので、教会に入ったら、まずは先にカラヴァッジョから見ておいた方がよいです。
ナヴォーナ広場周辺の無料教会
サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会
主な芸術作品:ミケランジェロ「あがないの主イエス・キリスト」、フィリッピーノ・リッピ「トマス・アクイナスの勝利」、ペルジーノ「イエス・キリスト」
サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会は、パンテオンのすぐ近くなので、一緒に訪問しましょう。
教会前にある、ベルニーニ作の「ひよこ」と呼ばれる、ゾウの彫像が目印です。
こちらが「ひよこ」。後ろに見えている茶色い丸い建物は、パンテオンの裏側です。
教会の名前は、「ミネルヴァの上に建てられた聖母マリア教会」いう意味で、もともとはローマ神話の知恵の女神ミネルヴァに捧げた神殿の上に作られた教会です。
ミケランジェロの「あがないの主イエス・キリスト」像に、「マッパはハレンチだからダメ」という理由で、変な腰巻がつけられてしまった作品は、ある意味一見の価値があります…。
サンティニャツィオ教会
主な芸術作品:アンドレア・ポッツォ天井画「聖イグナティウス・ディ・ロヨラの栄光」
サンティニャツィオ教会は、だまし絵と遠近法を駆使して描かれたアンドレア・ポッツォの天井画が素晴らしいです。
クーポラも、本来は奥行きがないのですが、丸い立体天井であるかのように、ポッツォがだまし絵で描いたものだそうです。結構だまされます。
教会前の広場も、なかなか素敵ですよ。
サンタ・ルイージ・デイ・フランチェージ教会
主な芸術作品:カラヴァッジョ「聖マタイと天使」「聖マタイの召し出し」「聖マタイの殉教」
サンタ・ルイージ・デイ・フランチェージ教会は、カラヴァッジョの傑作の一つ、聖マタイ伝三部作があり、つねに観光客が多い教会です。
こんな素晴らしいカラヴァッジョ作品が無料で見れるなんて、ありがたや、です。ローマに行ったら、足を運ぶことをおすすめします!
作品は教会内左奥にあります。
サンタゴスティーノ教会
主な芸術作品:カラヴァッジョ「巡礼の聖母」、ラファエロ「預言者イザヤ」
カラバッジョとラファエロの作品が無料で拝める、実にゼイタクな教会です。
ラファエロの「預言者イザヤ」は見つけにくいです。入口から左手の柱の上に描いてあります。
サンタ・ルイージ・デイ・フランチェージ教会にくらべると、観光客の数は少ないです。
サンタ・マリア・デッラ・パーチェ教会
主な芸術作品:ラファエロ「巫女」
サンタ・マリア・デッラ・パーチェ教会は、結構閉まっていることが多い教会ですが、教会が閉まっていても、ラファエロ作品を見ることができます。
教会左手のブラマンテの回廊を2階に上り、サロンのような部屋に入ると、窓から教会内が見えて、ラファエロ作品も結構間近で見られます。
このサロンは、回廊内にあるカフェの一部ですが、カフェを利用しなくても、観光客のために好意で開放してくれているようです。
このカフェ自体が、オシャレで感じの良い有名なカフェなので、休憩に使ってもよいでしょう。
サンタンドレア・デッラ・ヴァッレ教会
主な芸術作品:ドメニキーノ「四福音書記者」
サンタンドレア・デッラ・ヴァッレ教会は、エマヌエレ二世大通りに面している教会。アレア・サクラの近くです。
ジェズ教会
主な芸術作品:バチッチャ天井画「キリストの御名の勝利」
ジェズ教会は、ローマでぜひおすすめしたいスポットのひとつです。バロック芸術の極致、まるで3D映像のような天井画が圧巻です。
彫刻と絵が巧みに組み合わされ、非常に幻想的で、絵がまるで宙に浮かんでいるように見えます。
数あるローマの無料教会で、「驚きたい」なら、ココが一番です。
日本でも有名なザビエルのお墓があります。彼の右手が飾られていて、ちょっと恐かった。
ちなみに、私は見損ねたのですが、夕方(17時半くらい?)に、礼拝堂の絵画の裏から、彫像が出てくるというびっくりショーが毎日見られるらしいです。
もう、バロック教会の極致ですね。次回はこのショーを見逃さないようにしたい!
トラステヴェレの無料教会
サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ聖堂
サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ聖堂は、トラステヴェレ地区の中心的な教会です。
内部も外部も、豪華絢爛な金色モザイクで飾られています。
サン・フランチェスコ・ア・リーパ教会
主な芸術作品:ベルニーニ「福者ルドヴィカ・アルベルトーニ」
サン・フランチェスコ・ア・リーパ教会には、「聖テレサの法悦」と並んで官能的と言われる、ベルニーニの作品「福者ルドヴィカ・アルベルトーニ」があります。
「聖テレサの法悦」と同様、それほど近くまではいけませんが、「聖テレサの法悦」よりも低い場所にあり、見学者も少ないので見やすいです。
ライトが点いた状態よりも、自然光で見た時の方が素敵です。
ライトが点いている時は、教会関係者がいたら、ライトを消してもらえないかお願いしてみましょう。
ピア門北の無料教会
サンタ・コスタンツァ教会
サンタ・コスタンツァ教会は、コンスタンティヌス帝の娘、聖女コンスタンティアのお墓が聖堂となった教会です。
テルミニ駅のバスターミナルから、36番か90番のバスでノメンターナ街道を行きます。90番が急行バスで、所要10分程です。
降りる場所はわかりづらいので、運転手さんに教えてもらいましょう。入口はノメンターナ街道沿いにあります。
白地の独特なモザイクが素敵です。50セントで点灯する機械は壊れていました…。
トイレは敷地内のバールでカギを借りる形式です。
サンタニェーゼ・フオーリ・レ・ムーラ教会
コンスタンティアが聖アグネスを祀るために建てたのが、サンタニェーゼ・フオーリ・レ・ムーラ教会。
サンタ・コスタンツァ教会と同じ敷地内にあり、テルミニ駅から遠い方の教会です。
モザイクがありますが、ミサ中で中に入れず、しっかりは見れませんでした。
アヴェンティーノの丘の無料教会
サンタ・サビーナ聖堂
サンタ・サビーナ聖堂は、5世紀に作られた、非常に古い教会。
清らかで雰囲気が良く、とても気に入りました。
入ってすぐ振り向くと、入口の上に、青地に金の文字がずらーっと書かれたモザイクがあり、壮観です。創建当時の古いものだそうです。モザイクの下の方に点灯マシンもあります。
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