イタリア旅行は日本人観光客にとって危険って本当?

ポポロ広場

私は2009年に初めてイタリアへ行きました。

その時、イタリア旅行を計画している途中で、ヨーロッパに住んでいたことがある友人から「イタリアは危ないからやめときなよ」と言われました。

イタリアは日本人旅行者にとって危ない国というイメージは、日本ではそれなりに根づいています。

日本人観光客が、イタリアでスリ、ぼったくり、詐欺に遭ったという体験談は、現在でもよく耳にします。

残念ながら「イタリアは日本人観光客にとって危険」というイメージは、まちがいではありません

かく言う私も、イタリア旅行中に、何度かヒヤリとした経験があります。

「イタリアに行きたいんだけど、治安が気になる」という方に向けて、私が実際にイタリアで感じている「イタリア旅行の危険度」について書いてみます。

イタリアは観光客にとって「どのくらい」治安が悪いのか?

イタリア旅行は、確かに日本人旅行者にとっては、注意が必要な旅行になります。

ただし、イタリアは、治安の悪さを理由に、旅行そのものを取りやめるほど危険ということはありません

イタリアの犯罪率は、日本に比べると高いですが、その大半は、スリ、ひったくりなどの軽犯罪です。

 イタリアでは重犯罪は少なく、人口10万人あたりの殺人発生率の統計では、0.66となっていて、日本の0.24には及びませんが、同じヨーロッパの大国フランス(1.27)、イギリス(1.20)、ドイツ(0.98)と比べて低い数字になっています。(参考サイト:グローバルノート

イタリアで重犯罪が少ない理由は、マンマ文化があるおかげで(イタリアは仲が良い母と息子が多い)、精神的に満たされた男性が多いおかげだと言われたりもします。

他に、マフィアの存在が心配になるかもしれませんが、マフィアどうしの抗争は1990年代に比べて下火になっています。また、観光客がマフィアに遭遇するような事態は、通常はあり得ません。

観光客がイタリアで気をつけるべきは、観光客をターゲットにしたスリ、ひったくり、ぼったくり、詐欺などの軽犯罪です。

これらの軽犯罪は、準備や旅先での用心でほとんど防げるので、対策さえ取っておけば、イタリア旅行は怖くありません。

外務省の危険度マップを確認しよう

世界地図

イタリアでは、幸いなことに現在のところ、大きな紛争はありません。

ですが、国際情勢は刻々と変動します。

たとえば、現在は平和な観光国となっているクロアチアも、1990年代は紛争状態で、渡航禁止の状態でした。

最新の海外の安全情報は、外務省の危険度マップで、色別に示された危険度を確認できます。

旅行を計画する前、旅行に出かける前に、念のために確認するようにしましょう→外務省海外安全ホームページ

イタリアで観光客にとって治安の悪い都市はどこ?

「イタリアの治安」と一口に言っても、千差万別で、治安が悪い都市と安全な都市が存在します。

イタリア好きとしては、こういったことを書くのは心苦しいのですが、旅行情報としては必要ですので、イタリアで観光客が注意したい都市を挙げます。

あくまで「観光客にとって危険かどうか」という基準なので、治安が悪くても、ほとんど観光客が足を運ばない町は対象外としています。

観光都市ローマは軽犯罪が非常に多い

真実の口

観光客が最も気をつけなければならないイタリアの都市は、私の実体験や、他の方の話を聞いても、ローマです。

ローマが、イタリアで最も治安が悪い町というわけではないのですが、ローマでは観光客をターゲットにした犯罪が多いのが特徴です。

これは、ローマが観光客が多いだけでなく、もともとイタリアの首都として、人口が多い大都市ということも関係します。

人口が多い場所では犯罪者が逃げやすいという事情があり、大都市特有の犯罪は、ローマに限ったことではありません。

ローマでは、これに加えて、観光客狙いの犯罪があり、全体として観光客が犯罪に出くわす確率が高くなります。

ローマの治安についてもっと詳しい記事はこちら→実体験で語るローマの治安

ツアー客がバスから降ろしてもらえないナポリ

ナポリ

イタリアで治安の悪い都市として、真っ先に名前が挙がるのは、南イタリアのナポリです。

南イタリアは、北・中部イタリアと比べ、経済状況が悪く、そのため治安が不安定と言われています。

確かにナポリは、南イタリア・大都市と、治安が悪くなる材料がそろっています

パックツアーでは、ナポリでは治安の悪さを理由に下車観光できず、ほとんどがバスの車窓からの観光になったという話もよくあります。

個人的な感想としては、ナポリは確かに実際に歩いてみても治安の悪さを感じる町ではありますが、「日本で抱かれているイメージほどは危険ではないかな」と感じました。

ナポリの治安についてもっと詳しい記事はこちら→「ナポリは治安が悪い」の実情

パレルモの怖さは他とは一味違う

パレルモ旧市街

私が実際にスリに遭いかけたことがある都市は、ローマと、もう一つがパレルモです。

パレルモはシチリア島最大の都市です。

旧市街は、暗い道が入り組んでいて、近寄りがたい雰囲気を醸し出しています。

無秩序ながら活気・陽気さがあるナポリと比べて、殺伐とした雰囲気のパレルモの方が怖く感じました。

ただ、パレルモは、新市街方面の治安は悪くないですし、旧市街でも観光名所周辺のエリアは、近づけないというほどの怖さはありません。

パレルモの治安についてもっと詳しい記事はこちら→パレルモの治安は?夜歩きは危険?

他のイタリアの有名観光都市の治安は?

私はローマ、ナポリ、パレルモが、観光客が注意すべきイタリアの都市としてはトップ3と考えます。

では、他の観光都市はどうか。それぞれ簡単に触れてみます。

ミラノ。こちらはローマと同じくらいの大都市です。

ローマに比べると観光客ターゲットの犯罪は少ないですが、地下鉄内のスリなど、大都市特有の危険さはあります。

ヴェネツィア

ヴェネツィアは町全体が観光テーマパークのようで、成熟した観光都市としての安全さがあります。

気をつけたいのは、観光客を狙ったぼったくりや詐欺。

フィレンツェ

フィレンツェも比較的治安はよく、暗くなってからの町歩きにもさほど不安は感じません。

ヴェネツィアと同じく、注意したいのは観光客を狙ったぼったくりや詐欺。

ピサ

ピサで注意したいのは、観光客を狙ったスリです。

観光客のほとんどがピサの斜塔へ行くため、ピサの斜塔へ向かうバス内や、斜塔周辺など、観光客で混雑した場所にスリが出没します。

ボローニャ

ボローニャは、都会的雰囲気がありますが、駅周辺ではジプシーや浮浪者を多く見かけます。

空港バスが出発する駅前のバスターミナルでは、バスの切符の買い方を教えて小銭を要求するジプシーを複数見かけました。

逆に駅から離れた中心部は、安全に感じました。

「南イタリアは治安が悪い」とは一概には言えない

アルベロベッロ

一般的に「南イタリアは北イタリアや中部イタリアより治安が悪い」と言われますが、この言い方は、ちょっとアバウトです。

南イタリアの大都市は、確かにスリやひったくりが多発しますが、アルベロベッロアマルフィといった規模が小さい観光都市は、かなり安全に滞在できます。

南部イタリアでも治安の良い町はあります。

一律に「南イタリアは危ない!」と、訪問を避けるのはもったいないです。

シチリア島も治安が悪いイメージがありますが、大都市のパレルモ・カターニア以外の町では安心して過ごせました。

イタリアで治安が良い都市はどこ?

ロッカ・マッジョーレから見たサン・フランチェスコ聖堂

ここまで名前が上げなかった観光都市としては、シエナサン・ジミニャーノオルヴィエートアッシジなどがあります。

私が今までイタリアを旅した中で、一番安全に感じるのは、このあたりの「中部イタリアの小さな町」です。

この周辺を、初めてのイタリアで行くことは少ないかもしれませんが、二度目以降のイタリアで、個人旅行に挑戦してみたいという人には、おすすめしたいエリアです。

他のイタリアの治安に関するページも合わせてどうぞ

このページは、イタリアに行くかどうか迷い中という方に向けて、イタリアの治安情報をまとめました。

当サイトには「もうイタリアに行くことは決めた!」という方に向けて、イタリアで注意したいことをまとめたコーナーがありますので、よろしければ、こちらもご覧くださいませ→イタリア旅行の防犯対策

また、イタリア旅行では思わぬトラブルが発生することもありますので、海外旅行保険への加入は必須です。

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