【目次】
イタリアでは、三歩歩けばバールが見つかります。
バールには必ず大きく「BAR」と書いてあるので、旅行者にも分かりやすいです。
ちなみにイタリアのお店は、そのお店が何屋さんなのか大きく書いてあります。ジェラート屋さんなら「GERATERIA」、本屋さんなら「LIBRERIA」、タバッキ(雑貨店)なら「TABACCHI」。
日本でコンビニに「コンビニ」なんて書いてるの見たことないので、ここらへんは感覚の違いですね。
イタリアのバールとは?
イタリアのバールは、日本で当てはまる形態の営業を見つけるのはちょっと難しいです。立ち飲み店、カフェ、飲み屋を混ぜたようなお店です。
地元の常連客が多く、「バールに行けば誰かとおしゃべりできる」空間でもあります。
話し好きのイタリア人にとって、絶対に欠かせない場ですね。
イタリア人の、一番シンプルなバールの使い方は、まさしく「ちょっと一杯」。
パッとバールに入って、€1のエスプレッソをちゃっと飲んで、少しバリスタ(=コーヒーを入れてくれるスタッフ)や他のお客さんと話して、ある程度くつろいだらサッと出て行く…という仕様です。
バールでは、飲み物以外にもサンドイッチや甘いパンが置いてあり、朝食や軽い昼食にも利用できます。
夕方以降はお酒を出し、日本で言うところの「バー」に変身します。
また、バス切符やサッカーくじを販売しているバールもあります。
バールでは立ち飲みとテーブル席では値段が違う!
イタリアのバールで一番注意したいのは、カウンターでの立ち飲みか、テーブルに座って飲食するかで、値段が違うことです。
テーブル席では立ち飲みより、コーヒーや軽食の値段が1.5~4倍ほど高くなります。
バールでの立ち飲みについて
立ち飲みでのコーヒーや軽食の価格はどのくらい?
バールの立ち飲みの一番の利点は、座るよりも値段が安いことです。
エスプレッソ(メニューでは「Caffe(カッフェ)」がエスプレッソに当たります)1杯の立ち飲みだと、どのお店でも€1程度です。
カプチーノやカフェラッテは€1.5、チョコラータ(濃厚ココア)は€3、スプレムータ(オレンジ生搾りジュース)は€3~5、パニーニ類(サンドイッチ)は€3、クロワッサンなどの菓子パンは€1~2がだいたいの相場です。
バールのトイレ利用のための立ち飲みも定番の使い方!
バールのもうひとつの役割が、公衆トイレの代わりになっていることです。
イタリアでは日本と比べてトイレを探すのに苦労しますが、トイレを探すならバールを探す方が早いです。
観光地ローマでは、全てのバールに客にトイレを貸すことを義務付けてあるそうで、ローマでなくても、バールにはトイレがあります。
観光地では公共の有料トイレは€1くらいします。
どうせ€1払ってトイレに入るなら、バールの立ち飲みエスプレッソ付きの方がお得かも!?
ただ、コーヒーは利尿作用があって、飲みすぎると逆にトイレが近くなるので注意してね!
バールで座席を利用する時の注意点
バールでは立ち飲みが主流ですが、旅行者は歩き回っているので、立ち飲みだとしっかりした休憩が取れず疲れが取れません。その場合は、席に座って飲みましょう。
バールでは座席代がいる場合といらない場合がある!
ここで注意したいのが、席に座ると座席料金が取られるバールと、取られないバールがあります。
実は、座席に座る=座席料金が取られるとは限らないのです。
私の経験からだと、カウンターで渡される飲み物や食べ物を、自分で座席に持っていくスタイルのバール(スタバ方式)では、座席料金はかからないです。
こういった座席代不要のバールは、硬くて簡単な作りの椅子です(背もたれがないことも多い)。
こんな感じなのが無料座席。
それに対しテーブルにメニューが置いてあり、ウェイターさんが注文を取りにきて注文品を運んでくる形式のバールでは、座席料金がかかります。
こんな感じの座席はテーブル代が取られます。
まあ、この真ん中に当たる座席もたくさんあるので、分からない場合は店員さんに聞いてみましょう。イタリア人がコミュニケーション大好きなので、臆さなくて大丈夫!
座席代は立ち飲みよりどのくらい高くなる?
立ち飲みの場合は、エスプレッソはどこのお店でも一律€1前後と書きましたが、座席料金は各バールによってかなり差があります。
座ると、立って飲むより数セント程度高いだけのバールもありますが、立ち飲み料金の2~4倍になるバールもあります。
特に、観光地の大きな広場に面したテラスカフェを持っているバールの座席料金は割高です。
バールのメニューの一覧は、見えやすいところに掲示することを義務付けられているそうなので、入り口やレジ近くのメニューで確認しましょう。
値段の横にカッコに入った少し高い値段が書いてあれば、それが座席に座った場合の値段です。
また座席料を取る目的で、初めから観光客にテーブル席を勧めるバールもありますが、立ち飲みで十分である場合は、「くい(=ここで飲みます)」と、カウンター(イタリア語では『banco』、読み方は『バンコ』)を指差しましょう。
バールでの注文の仕方
バールで注文をする手順は、大きく二つのタイプに分けられます。
- 先払い型…先にレジで支払いをし、レシートをバールのカウンター内の人に渡し、飲み物、食べ物を出してもらう方式
- 後払い型…カウンターで直接注文し、飲食が終わってから最後にレジで支払いをする方式
店が大きくて、お客さんが多いバールは先払い型が多く、個人経営で、お客さんが頼んだものをスタッフがおぼえていられそうな規模のお店は、後払いが多いです。
ですが、お店できちんと方式が決まってなくて、お店の人の気分しだいなんてバールもありました。
いずれにせよイタリア人はいいかげんに見えて、お金のことは絶対に忘れないので、求められたらその時に払えばOKです!
バールでテイクアウトしよう!
イタリアのバールはテーブル席を使うと割高になりますが、公共のベンチが近くにある場合は、持ち帰りにしてベンチに座ってランチにすると、テーブル代が取られないのでお得です。
イタリアのベンチは、結構眺めのよい場所に設置されているものなので、町並みや風景を観賞しながらランチが食べられるので一石二鳥です!
パニーニや切り売りピザは、お願いすると温めてくれますし、テイクアウトの場合は、食べやすいようにしっかり包んでくれます。
ちなみに飲み物も、ビニールカップに入れてテイクアウト用にしてもらえます。
イタリア語でテイクアウトを意味する、「portare via(ポルターレ・ヴィア)」という言葉を覚えておくと便利です!
イタリアの観光地では、飲食禁止の場所が増えてきています(フィレンツェのウフィツィ美術館前広場など)。広場で座って食べる場合は、周囲の雰囲気を確かめましょう。
おいしいバールは地元の人が知っている!
イタリア人の生活に密着しているバール。
イタリア人にとってバールは生活の一部で、それぞれお気に入り・行きつけのバールを持っています。
どんなバールが行きつけになるか?バリスタの人柄もありますが、やっぱり、おいしいバールが地元の人たちに人気です。
コーヒーや食べ物がおいしいバールに入りたいなら、地元の人たちが頻繁に出入りしているかどうかを観察しましょう。
特に、パン類は、既製品を仕入れているバールと、自分のお店で焼いているバールでは、かなり味の差が出ます。
イタリア人はグルメ舌の人が多いので、おいしいバールはイタリア人に教えてもらいましょう!
バールでチップが必要なのはどんな時?
バールはカジュアルなお店なので、基本的にはチップは必要ありません。
しかしタクシーを呼んでもらう時にはチップを渡しましょう。この場合の相場は50セントです。
バールでタクシーを呼ぶことを断られることもありますが、最初に50セントを見せながらお願いすると、スムーズに呼んでもらえる可能性が高いです。
イタリアのバール文化を知るのにおすすめの本
イタリアにおけるバールを、イタリア人のメンタリティと結びつけて考える大変興味深い本です。
イタリアに行く前に、ガイドブックだけでなく、こういう本を1冊読んでおくと、イタリア滞在が、より味わい深いものになります!
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- イタリア旅行マニアで今まで9回イタリアに足を運んでいます。何度でもイタリアに行く自分のために、イタリア旅行のマニュアルを作成したのがこのサイトです。
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