【目次】
ローマのシンボルがコロッセオだとすると、フィレンツェのシンボルは、やっぱりあのバラ色で大きい丸い屋根!そう、ドゥオモ!
MEMO
ドゥオモ(duomo)とは、イタリア語で町の中心となる大聖堂を指す言葉で、ドゥオモと呼ばれる教会は、フィレンツェ以外の町にもあります。
フィレンツェのドゥオモは、正式名称を「Cattedrale di Santa Maria del Fiore(カテドラーレ・ディ・サンタ・マリア・デル・フィオーレ)」といいます。日本語に訳すと「花の聖母マリア大聖堂」。
「花の」と形容されている理由は、「フィレンツェが『花の都』と呼ばれている」「ドゥオモの華やかさを表している」「ドゥオモに花の形の装飾が施されている」…諸説あります。
このドゥオモに、とてもよく似合っている呼び名であることだけは確かですね!
フィレンツェのドゥオモ基礎知識!
フィレンツェのドゥオモは1436年、ルネサンスの時代に完成しました。
ルネサンス建築の特徴がよく出ているのが、あの大きなクーポラ(丸屋根)。
古代ローマ時代以降、大きなドーム屋根を建物に据える技術は失われていましたが、建築家ブルネルスキが完成させました!現在でも世界最大の丸屋根です。
当然ながら世界遺産の建築物ですが、大聖堂の内部に入るだけなら無料なんです!
「教会はすべての人に対して開かれている」という考え方なのでしょうね。
ドゥオモ入場観光ガイド!6つの見どころがある!
フィレンツェのドゥオモの入場観光について解説します!
まず、フィレンツェのドゥオモには付属する建物があることを抑えておきましょう。
- ドゥオモ(大聖堂)…真ん中の縦に長い建物
- クーポラ…ドゥオモの後ろの方についている大きな丸い屋根
- ジョットの鐘楼…ドゥオモの隣に立つ塔
- サン・ジョヴァンニ洗礼堂…ドゥオモの目の前にある八角形の建物
- ドゥオモ付属博物館…ドゥオモの背後にある新しい建物
この5つの建築物にプラスして、Santa reparata(レパラータ地下教会遺構)という見どころがドゥオモの地下にあり、ドゥオモ以前にこの場所にあった教会跡を見学できます。
ドゥオモ以外は、すべて見学は有料なります。
それぞれの見どころについて観光ガイドします!
ドゥオモ(大聖堂)
ドゥオモ(duomo)
- 内部入場無料
- 見どころはヴァザーリの天井画『最後の審判』、二つの騎馬像、ダンテの肖像画
- 見学の所要時間目安は20~30分
フィレンツェのドゥオモは、あの大きなドーム型の丸屋根が「ルネサンスの象徴」として、よく取り上げられます。
ですがゴシック期からルネサンス期にかけて建設されたため、実際にはゴシック様式とルネサンス様式が混在しています。
どこらへんが「ゴシック」なの?
フィレンツェのドゥオモでは、ゴシック建築の典型である尖頭アーチやステンドグラス、バラ窓などが見られます。
また、ファサードと呼ばれる教会の正面部分は「本当に古い建物なの?」と思うほどキレイですが、この部分は19世紀に作ったネオ・ゴシック様式。
お隣のジョットの鐘楼と調和するようなデザインですね。
外から眺めているだけでも楽しいフィレンツェのドゥオモですが、上にも書いたように、ドゥオモ内部には無料で入れます。
無料ということもありいつも混雑してはいますが、内部が広いためか、ヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂ほどは人の多さを感じません。
内部の最大の見どころは、クーポラ(丸屋根)の内側に描かれた天井画ヴァザーリの『最後の審判』でしょう。
正面の入口から見て左手の壁には、カスターニョ『ニッコロ・ダ・トレンティーノ騎馬像』(左側)、ウッチェッロ『ジョン・ホークウッド騎馬像』。
この2つの騎馬像の先には、ドメニコ・ディ・ミケリーノが1465年頃に描いた『神曲を持つダンテの肖像』があります。
フィレンツェを追放され、死ぬまで故郷に帰れなかったダンテ。ダンテの後ろにはドゥオーモのクーポラも描かれています。
クーポラ
クーポラ(Cupola di Brunelleschi)
- 階段463段、ビル24階分の高さを上る
- 完全予約制
- 所要時間目安は45~60分
ドゥオモのクーポラ(丸屋根)は、上まで上ることができます。
フィレンツェの観光スポットの中でも大人気で、クーポラに上る入り口にはいつも行列がありましたが、現在は完全予約制となりました。
階段は463段。ビルで考えると約24階分です。
2回上ったことがありますが、それほどしんどくはなかったです。ただし公式サイトでも血管・呼吸器系疾患のある方等が上ることは推奨していないので、自分の体力と相談しましょう。
上る途中で、クーポラ内部に描かれたヴァザーリの『最後の審判』を間近で鑑賞できます。
混雑時は立ち止まれないことも
この『最後の審判』が見える通路は狭く、混雑時は立ち止まるのが困難で、ゆっくり鑑賞できないこともあります。
夕刻には、ジョットの鐘楼の方向に沈む夕陽を拝めます。
ジョットの鐘楼
ジョットの鐘楼(Campanile di Giotto)
- 階段414段を上る。クーポラより少しだけ低い
- 所要時間目安は約45分
ジョットの鐘楼(しょうろう)は、ドゥオモの左側にそびえている、白とピンク、少しだけ緑の入ったケーキのようにかわいらしい塔です。
いつ見ても「美味しそう」…
このかわいらしい塔は「ジョットの」と呼ばれているように、ルネサンス芸術の前夜を用意したといわれる、芸術家ジョットの構想から始まっています。
工事は途中で弟子たちに引き継がれ、完成したのは1387年。ルネサンス期に突入する前、ゴシック期の建築で、ドゥオモより100年くらい前にできあがっています。
「鐘楼(しょうろう)」というだけあって、鐘がついています。今でも現役で鳴っています!
ジョットの鐘楼にも上ることができます。高さは、クーポラとほとんど変わりませんが、少しだけジョットの鐘楼の方が低いです。
階段は414段。クーポラほどは行列ができず、混雑しません。予約も不要です。
クーポラに上ると当然クーポラは見えないので、クーポラを間近で見たい方はジョットの鐘楼の方がおすすめです。
クーポラをこんなに間近で見られるのは、ジョットの鐘楼からだけ!
サン・ジョヴァンニ洗礼堂
サン・ジョヴァンニ洗礼堂(Battistero di San Giovanni)
- ドゥオモ関連の建築で一番古い建物
- 内部は金色のモザイクでキレイ!
- 見学所要時間の目安は30分
サン・ジョヴァンニ洗礼堂は、ドゥオーモの前に鎮座している、シマシマが可愛らしい八角形の建物です。
ドゥオモの子供みたいにちょこんとくっついていますが、実はドゥオモやジョットの鐘楼よりもずっと古いもので、中世の建築物(11~12世紀)です。
内部は、外側からは想像もつかないような、あざやかな金色のモザイクで天井が覆われています。
見学には時間がかからないので、共通券を購入したら、ぜひ入場してみて下さい。
ドゥオモに面している側の金色の扉が、有名な『天国の扉』です。
観光客が写真を撮っていることが多いですが、本物ではなくレプリカです(本物はドゥオモ付属博物館にあります)。
ドゥオモ付属博物館
ドゥオモ付属博物館(Museo dell’Opera del Duomo)
- ギベルティ「天国の扉」のオリジナルを展示
- クーポラを見上げるテラスあり
- 見学の所要時間目安は1時間~1時間半
ドゥオモ付属博物館は「ドゥオモの裏手にひっそりとある、観光客がほとんどいないけど充実した穴場スポット」と、今までブログで紹介してきたのですが、改装が終了して事情が一変しました。
今ではすっかりキレイになり、共通券で入場できることもあって賑わっています。嬉しいような、淋しいような…いや、淋しくない!皆が、この博物館の魅力に気づいてくれて嬉しいっすよ!
嬉しいような、淋しいような…いや、皆が、この博物館の魅力に気づいてくれて嬉しいっすよ!
ぜひぜひ鑑賞をおすすめしたい作品は3つ!
ギベルティの『天国の門』の本物。
今にも子供たちの歌声が聴こえてきそうなルーカ・デッラ・ロッビアの『聖歌隊席』。
ドナテッロの『マグダラのマリア像』。
改装後、この博物館に展望テラスもできました。ドゥオモのクーポラがしっかり見える穴場スポットになっています。
Santa Reparata(レパラータ地下教会遺構)
ドゥオモ関連の有料入場券で、どのタイプを購入しても入場できるのが「Santa Reparata(レパラータ地下教会遺構)」。
ドゥオモができる前にこの場所にあった教会の遺構を見ることができます。
この地下遺構の近くには地下墓所(クリプタ)があり、ドゥオモのクーポラを設計したブルネレスキが眠っています。
地下遺構はドゥオモ内部にありますが、ドゥオモに無料入場する人たちとは入口が別です。ジョットの鐘楼近くの入口から入場します。見学時間の目安は20~30分。
チケット情報
フィレンツェのドゥオモ周辺の有料入場となる見どころは、チケットのバラ売りがありません。
3種類ある共通券のいずれかを購入して入場します。
3種類の共通券について
ドゥオモの3つの共通券は、多くの見どころに入場できる順に「ブルネルスキ・パス」「ジョット・パス」「ギベルティ・パス」と名前がついています。
クーポラに上れるチケットは「ブルネルスキ・パス」だけです。
それぞれのパスで入場できる見どころを表にしてみました。
ブルネルスキ | ジョット | ギベルティ | |
---|---|---|---|
価格 | €30 | €20 | €15 |
クーポラ | 〇 | × | × |
ジョットの鐘楼 | 〇 | 〇 | × |
サン・ジョヴァンニ洗礼堂 | 〇 | 〇 | 〇 |
ドゥオモ付属博物館 | 〇 | 〇 | 〇 |
レパラータ地下教会遺構 | 〇 | 〇 | 〇 |
クーポラとジョットの鐘楼はどちらにも上るべき?
「ブルネルスキ・パス」を購入すると、クーポラとジョットの鐘楼、どちらにも上れます。
とはいえ、ドゥオモのクーポラとジョットの鐘楼はかなり近い位置にあり上からの眺めはさほど変わりません。
「クーポラからはジョットの鐘楼が見える」「ジョットの鐘楼からはクーポラが見える」という違いくらいですね。
絶対にどちらにも上りたいという方以外は、特に滞在期間が限られている場合は、無理して両方に上る必要はないです。
ドゥオモ共通券について個人的意見
ドゥオモ共通券を購入しようか迷っている方に向けて、個人的な考えを書いてみました。あくまで私見ですが、少しでも参考になれば幸いです。
フィレンツェでやりたいことの一つが、「ドゥオモのクーポラに上ること」という人は多いですね。
クーポラに上るなら、最も高額な€30の「ブルネルスキ・パス」を購入するしかありません。
「ブルネルスキ・パス」自体は、クーポラとジョットの鐘楼、洗礼堂、博物館に入れるので、以前より3倍のお値段になっているとはいえ、まあ昔が安すぎただけで妥当な価格かな?と思います。
ですが「クーポラに上るだけでいいんだけど…」という方にとっては、ちょっと不便な抱き合わせ販売となっていますね。
個人的な意見としては「絶対にクーポラに上りたい」という方以外は、初めてのフィレンツェで滞在期間が2日以内であれば「ブルネルスキ・パス」の購入はおすすめしません。
クーポラからの眺めは確かに素晴らしいですが、「フィレンツェの風景というのはクーポラが見えてこそ!」と思う私には、ミケランジェロ広場からの眺めや、ヴェッキオ宮の塔からの眺めの方が魅力的でした。
こちらがミケランジェロ広場からの眺め。
こちらはヴェッキオ宮からの眺め。
また、ドゥオモ周辺の見どころは魅力的ではありますが、2日しかフィレンツェに居られないのであれば、ウフィツィ美術館、パラティーナ美術館、アカデミア美術館、サン・マルコ修道院などの方が優先されるかな…と思います。
フィレンツェは本当に見どころが多すぎる町なので、2日以内の滞在であれば、ドゥオモ鑑賞は欲張らず、外からの眺めと、無料で入場できるスポットだけに留めたほうが、フィレンツェを堪能できるでしょう。
フィレンツェに3日以上滞在できるなら、ブルネルスキ・パスを購入し、半日くらいかけてドゥオモ周辺の見どころをすべてじっくりと楽しむとよいかなと思います!
まとめ
- フィレンツェのドゥオモの内部入場は無料
- クーポラやジョットの鐘楼、サン・ジョヴァンニ洗礼堂などは有料入場
- クーポラに上るのは要予約
- クーポラに上るためのチケットは共通券「ブルネルスキ・パス」のみ
- イタリア旅行マニアで今まで9回イタリアに足を運んでいます。何度でもイタリアに行く自分のために、イタリア旅行のマニュアルを作成したのがこのサイトです。
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